独特の技法を全面に 小樽日本画協会展

 第34回小樽日本画協会展が、5月30日(水)から6月3日(日)まで、10:00〜17:00(最終日16:00)に、市立小樽美術館(色内1)1階市民ギャラリーで開かれている。会員13名の日本画独特の技法を生かした作品39点を展示している。
 小樽日本画協会(上田入子代表)の会員は、現在17名。同会は、昭和21年4月に故・本間聖丈氏が発足させた日本画と水墨画の会。発足後10年にわたり作品展を開催していたが、中心的人物が亡くなったり、東京へ行ったりと開催できない時期もあったが、その後、継続的に開かれるようになり、今回で34回目を迎えた。
 上田代表は「日本独特の画材を使用し、風土に適した技法を全面に出している。昔から培われている日本画を教える先生はあまりいない」と話した。来場者へ日本画への理解を深めるために画材も展示している。
Japanesepicture.jpg 1870年代にヨーロッパから西洋画(洋画)が入って以降、それまでの日本の伝統的技法や様式での画法は、日本画と呼ばれるようになった。 膠(にかわ)を水を入れ溶かし、岩絵具(砂状)を溶いて使用する。紙は、絹や和紙を使用し、金箔を貼る時は、膠を薄く塗り、のりとして使用し貼り付けるなど、様々な特殊な技法がある。
 和紙を揉み、しわを作り、色を塗ってから絵を描いた作品「パープールの森」や会場に入ってすぐ目につくインパクトのある「龍」は、変形150のサイズの水墨画。描いた千葉晃世さんは、水墨画の先生をしている。
 額に入れた作品が多い中、掛軸にした作品もあり、明治・大正では、日本画による掛軸が大きく飛躍したと言われ、日本の伝統文化を表現している。入会6年目の松田和子さんは、「ユリ」を描き、水彩画、油彩とは違った日本画での「ユリ」を表現している。
 上田代表は「長く日本画をやっている方も多く30年という方もいて、それぞれに自分の世界があり描いている」と話した。市内女性は「個性がそれぞれにあって、味がある作品、現代画の日本画で面白い」と感想を話していた。