ゼニガタアザラシの赤ちゃん"ひかり"と命名 おたる水族館



 おたる水族館(祝津3)は、ゼニガタアザラシのミミ8歳が、5月7日の早朝に初めて出産した赤ちゃんに、”希望の光”の意味を込めて「ひかり」と命名した。
 同館では、昨年生まれたゴマフアザラシ4頭に、大震災被災地へのエールを込めて「げんき」「ゆうき」「みらい」「のぞみ」と命名しており、それに続けて名付けられた。
 現在「ひかり」は、館内出産プールで、元気にすくすくと成長し、母親と一緒に生活している。生まれた時は体長60cm・体重8kgで、現在では体長約75cm・体重約25kgと成長し、性別も不明だったが、メスと判明した。
 母親から離れて泳ぐ時間も増え、プール内を気持ち良さそうに泳いでいる。メスということもあり、同館でずっと過ごす予定。そろそろ離乳期となり、来月には、親離れすることとなる。
 また、同館では、各地で保護されたゼニガタアザラシのオス3頭を、海獣公園内の病院で治療保育中だ。衰弱しているため、1頭ずつ区切られた柵の中で過ごしている。1日3回、ミルクに浸した魚を与えている。
 この3頭は、5月7日にえりも町で、風の館のスタッフが保護した「レラ」、5月8日に様似町で保護した「アポイ」、5月15日に浜中町で東京農大の先生と学生が保護した「はまちゃん」の3頭。へその緒が付いた状態で、生後1・2ヶ月後に保護されたと見られる。ゼニガタアザラシを3頭も保護することは、同館では珍しく、年間平均1頭の割合で保護している。釧路水族館へ搬送する場合もあるが、治療施設のある同館に搬送された。
 小樽近海に多く見られるのはゴマフアザラシで、ゼニガタアザラシは、環境省・水産庁の絶滅危惧種に指定され、環境省が保護に携わり、滅多見ることができない。
 3頭の名づけ親でもある同館・角川雅俊獣医師は「油断できないが、峠は越えた状態。現在一般公開はしていないが、6月中には、皆さんにお見せできるのでは」と話している。(子供の写真提供:おたる水族館)

ひかりとミミ
レラ
アポイ
はまちゃん