『部分日食が見えた!』 朝の観望会で市民歓声


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 5月21日(月)の朝は、金環日食と部分日食が国内各地で見られた。この世紀の天体ショーを観察するため、ネットやテレビのリアルタイム中継に、多くの人が見入った。

 小樽市でも部分日食が見られるとあって、観望会などに朝から多くの市民が参加し、この天体ショーを楽しんだ。
 小樽市総合博物館(手宮1・青木良英館長)では、5月21日(月)6:30から、同館正面玄関前で、朝の観望会「部分日食を観察しよう」を開き、市民100人が集まった。
 初めは雲があったものの次第に晴れ、食が始まる頃には晴れ渡り、絶好の日食観察日和となった。会場には、日食メガネやカメラを持った市民が集まった。solareclipse2.jpg同館天文ボランティアの溝越由孝さんは、自前の望遠鏡を設置し、投影法で反射板に太陽像を映し出し、部分日食の一部始終を多くの人が安全に観察できた。また、黒点も観察できた。溝越さんは「1週間前から天気が気になり心配していたが、晴れて良かった。今日は、観察する時期としても良かった。1981年の部分日食を見た経験がある」と話していた。
 同館の大鐘卓哉学芸委員は、ピンホールや木漏れ日での観察、鏡で反射させるなどの工夫で、日食の楽しみ方を実践し、市民も一緒に楽しんでいた。
solareclipse3.jpg 小樽より前に、最大食を迎える京都からの中継を、管内のホールでスクリーンに映し出し、7:30から約1分間の金環日食を50名が鑑賞した。
 その後、小樽でも7:49に、最大食分0.834の太陽が観測され、参加者は歓声を上げながら、日食メガネを通して観察していた。通学や通勤途中の市民も立ち寄り、観察に参加し、食が終わる9:17まで、それぞれがいろいろな方法での日食を楽しんでいた。
 市内女性は「興味があったので、催し物に参加した。専門家の説明を聞いた方が新しいことが分かるし、共有できると思った。金環日食は18年後で、今日の部分日食で小学生たちが感動したりして、これからの現象も見たいと思うきっかけになると思う」と話した。
 大鐘学芸員は「朝だけ天気が悪かったが、みんなの願いが通じた。木漏れ日やピンホールでの観察をして、感動している人を見ると嬉しく思う。2030年の金環日食も是非見てもらいたい」と話した。

 今後、2012年に見られる天体ショーは、6月4日の月食(本影食)だけとなる。6月6日には、金星が太陽の手前を通過する「太陽面通過」が起こる。日本で見られるのは2004年以来の8年ぶりで、次回は105年後となるので、こちらも是非観察してみよう!