にしん焼きに長蛇の列 祝津にしん祭り



 第4回祝津にしん祭りが、5月19日(土)・20日(日)に開かれている。
 19日の10:00〜16:00には、祝津前浜をメイン会場として、無料の鰊の炭焼きが振舞われ、にしん焼きを求める人が長蛇の列を作った。「にしん祭り」は、祝津の地域と歴史・文化の継承と地域の経済活性化を目的とし、主催はおたる祝津にしん祭り実行委員会。
 10:30からオープニングセレモニーが開かれ、同会久末智章実行委員長は「天候に恵まれ、2日間、美味しい祝津を楽しんでもらいたい。にしん祭りは美味しいがテーマで、うにも解禁し、祝津の旬を味わってもらい、北海道の歴史の宝庫でもある祝津を、心と体で楽しんでもらいたい」と挨拶した。
 中松義治市長は「祝津は鰊漁で作られた町で、番屋・鰊御殿・水族館・貴賓館と、観光のスポットでもある。以前に見た、群来の素晴らしさに感動した。にしん祭りには、思いが沢山あり、出来栄えが良く感謝している。にしんが1日500匹ずつ振舞われ、にしん祭りを楽しんでもらいたい」と話した。
 従来のフォトコンテストに変わり、今年から川柳コンテストを開催。主催は北海道新聞小樽支社。700点の応募の中から最優秀賞1名と、優秀賞3名、佳作5名の表彰式が行われた。最優秀賞は、石河勝美さん作品「やけ酒を 焼けたニシンの 眼が諭す」が選ばれた。札幌勢の受賞が多い中、唯一小樽在住である國谷一成さんの作品「古の 群来を偲びて ニシン焼く」が佳作に選ばれた。國谷さんは、「生まれも育ちも祝津だから、この歌が浮んだのだと思う。昨年、群来が来て、見たり聞いたりした。今日は、群来の時代を偲んで、今日のイベントでにしんを焼いている」と話した。
 前浜会場海岸では、にしんの放流式が行われた。今年で6回目。小樽市漁業組合がにしんの幼魚500匹を寄附。小樽市鰊御殿が主催し、小樽市水族館が実施している。祝津小学校や高島小学校の児童が、願いを込めて放流に参加し、多くの来場者も次々と幼魚を放流した。

 恒例にしんの炭火焼きは、2日間で1,000尾が振舞われる人気のイベント。会場で焼いたものをすぐに食べることができる。9時過ぎには人が並び始め、11:00から先着100名ににしんが渡され、会場は、炭火で焼いた香ばしいにしんの香りが漂っていた。東北大学2年生でヨット部の大野聡史さんは、「油が乗って美味しい。白子も美味しかった。ひとり暮らしを始め、普段魚の調理はしないので、今日はとても美味しかった」と満足した様子だった。
 祝津海産市場即売会も開かれ、にしん商品や、祝津で水揚げされた新鮮な魚介類を特価で販売。真ガレイとオオバの袋詰め200円が人気を呼んでいた。
 小樽商大3年生の三浦涼二さんは、小樽の活性化について本気で考えるプロジェクト「マジプロ」で、祝津の祭りを活性化させるという活動で、商大生3名で参加していた。「祝津の人は優しい人ばかりで、盛り上げたいと心から思った。海産物が沢山あり、活性化できると思う」と話した。
 風は冷たいが、晴天に恵まれ、多くの人が会場を訪れていた。
 20日(日)は、10:00から16:00頃まで開催され、番屋巡りツアーやホタテの稚貝釣り、イソガニ釣り大会などのイベントを予定している。