国指定史跡・手宮洞窟保存館 夏季営業開始


temiyacavern1.jpg 本格的な春の訪れとともに観光施設が続々とオープンする中、「小樽市手宮洞窟保存館」(手宮1)は、4月28日(土)より夏季営業を始めた。GW入りで、多くの観光客が訪れている。同館には年間8,000人の入館者があり、1日平均で50人ほど。洞窟内は室温12℃、湿度75%(4月30日現在)で、しっとり肌寒い洞窟を体験できる。
 手宮洞窟は、1866年に発見され、1921年に国史跡に指定された。昭和61年に、保存修理事業を開始し、平成7年に「手宮洞窟保存館」が完成した。
 洞窟の大きさは、幅3.2m、奥行き3m。彫刻されている壁の面積は約2.4㎡。小樽軟石と呼ばれる凝灰岩で、崩れやすい。古代文字として知られていたが、陰刻画であることが分った。この彫刻が刻まれた時代は、発掘調査により、今からおよそ1,600年前頃の続縄文(ぞくじょうもん)時代中頃〜後半の時代で、弥生(やよい)時代の終わり頃から古墳時代の初めの時期にあたる。

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 壁画は、頭に角がある仮装した人間、角のある四足動物が描かれ、狩りで獲物が沢山獲れるよう描かれたという。平成2年には、第2洞窟が再発見され、幅1.2m、奥行き3.2mで、波によって侵食された岩盤から2mの高さの位置にあり、傷みがひどく紋様は分らなかったが、古代洞窟の雰囲気を知らせるために保存した。
 発掘調査で出土した彫刻を刻んだ続縄文時代の土器や各種石器も展示している。続縄文時代の人たちの心の文化を知る上で重要としている。
 札幌から来た家族連れは、「面白かった。ひんやりしていて、洞窟を感じた。壁画は、人形のようでもあり、ウルトラマンに出てくる怪獣や宇宙人のように感じた。丁寧に解説が書かれ、比較して見ることができた」と喜んでいた。
 手宮洞窟保存館
 開館期間:4月27日(土)〜11月4日(日) 9:30~17:00
 休館日:火曜日(祝日の場合は開館、翌日以降の平日に振替)
 入館料:一般100円・高校生と市内居住の70歳以上50円・中学生以下無料、20人以上は団体料金