新病院の再入札は5月下旬 「単独業者」参入を容認



 小樽市(中松義治市長)が進める新市立病院建設で、3月5日に予定していた約50億円の建築主体工事の入札が、談合情報により中止され、その後の展開に注目が集まっていたが、4月9日(月)13:00から開かれた市議会の「市立病院調査特別委員会」(山田雅敏委員長)で、市病院局は、「再入札は、単独業者参入を認めて、5月下旬に行う」との日程を明らかにした。
 同委員会で、市病院局(並木昭義局長)は、まず、提出した資料「入札公告以降の経過」・「小樽市立病院統合新築工事の建設費に関する検証報告(概要版)」・「免震構造を採用している自治体病院建設事例」・「新市立病院建設工事に係る発注方法の変更について(案)」・「総合評価落札方式における評価項目 新旧対象表(案)」の説明を行った。
hospital0409.jpg その中で、今後のスケジュールについては、建築主体工事は、4月16日を目途に、再入札公告を行い、5月下旬に再入札を実施し、施工業者を決定し、電気・設備工事は、再公告・再入札とも、建築工事の1週間後に行うことを明らかにした。
 その後、各会派の質疑に移り、建設工事の発注方法の変更、工事費の妥当性、地元業者の活用などに質問が集中した。特に、工事発注方法が、これまでの「共同企業体」の他に「単独業者」が加えられたことに関心が寄せられた。
 病院局は「新市立病院建設は待ったなしなので、参加については、共同企業体の他に単独業者の参加も認めていきたい」と答え、単独一括発注もあり得ることを明らかにした。これに対し、各委員から「単独発注では、大手ゼネコン一社だけが得をすることになり、地元業者の参入が困難となり、下請けになる地元業者にメリットがない」などの声が上がった。
 また、工事費について、入札の辞退業者から、市の予定価格は12~13億も低いとされた点では、市は、設計業者(久米設計)の検証で、「工事費・仕様の妥当性の確認」ができたとした。これに対し、「2つのJVが12~13億も上回っている。応札のJVの積算が正しいのか、予定価格が正しいのかを久米設計が検証したが、検証データはあまりにズサンではないか。久米の積算が正しいと言う主張は、あまり信憑性が感じられない」(自民党・濱本委員)と指摘した。
 これらは、市が提出した各資料(下記)を参照に読み解くことが、必要となっている。
 病院局提出資料
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