『しりべし旅日記』出版記念 小樽・横山文代展


yokoyama1.hpg.JPG 漫画・油彩家の横山文代氏による、北海道新聞後志版夕刊「しりべし旅日記」出版決定記念展として、イラスト原画・記事70点と、後志を中心に描いた臨場感溢れる油彩画31点を展示した「小樽・横山文代展」が、4月4日から8日(日)まで、9:30〜17:00(最終日15:00)、小樽市立美術館(色内1)市民ギャラリーで開かれている。
 同氏は小樽生まれで、高校在学中に週刊マーガレット専属漫画家となる。その後、母の介護のため32歳で小樽へ戻り、介護をしながら、母の勧めで絵を続け、外出できない母に、自分が見た風景を見せようと油彩で景色を描いた。道新からの依頼で「しりべし旅日記」を2007年から担当する。後志各地の名所を回り、情報に間違いのないよう、また、きちんと分るようにと心掛けた。山登り、乗馬、釣りなど、全てを自ら体験し、何枚もの写真を撮り、それに基づいてイラストを書き上げている。
 後志の風景画は、小樽運河、薬科大学の薬草園の緑、歌才のブナ林のせせらぎが聞こえそうな川の風景、神威岬の積丹ブルー。島牧のアメマス釣り大会では、12月の冷たい潮風が絵から伝わってくる。どれも臨場感溢れる見覚えるのある風景に引き寄せられる。yokoyama2.hpg.JPG
 2008年から札幌で個展を開き、小樽では、2008年10月にルタオで、2011年5月にオーセントで、美術館では、2008年8月に開いている。南樽市場のマスコットキャラクター「みなみちゃん」をデザインし、2009年の10月号から「月刊おたる」の表紙の絵を描き、多彩に活躍中である。
 同氏は「美術館がとても広く素敵な所で照明も良く、個展を開くことができ幸せに思う。小樽に住んでいる人は、ここで、どんどん作品を発表することで、描きごたえがあると思う。後志の風景画は、母に見せたくて、母がその場へ行っているような気持ちになってもらいたくて描いた。絵を見てくれた方々にもその場に行っているような気持ちになってもらいたい」と、笑顔で話した。
 知人の外沢照章さんは「能面展を開き、お互いの個展を行き来している。絵を見た時、身近な題材を切り口に捉え、魅力がある。薬科大など馴染みのある場所の絵がある。すごいエネルギーに惹かれ、魂を込め、じっくり作り上げた作品となっている」と感想を話した。