道ゆかりの美術家の『サッポロ未来展』 小樽で初開催


sapporofuture.jpg 北海道出身や北海道にゆかりのある40歳未満の美術家26名が、絵画をはじめ平面から立体作品と幅広いジャンルに渡る作品80点を展示している「サッポロ未来展」が、3月28日(水)から4月1日(日)までの9:30〜17:00(最終日16:00まで)、市立小樽美術館(色内1)1階で開かれている。同展は、札幌時計台ギャラリーで展示会を開いており、今年で11回目を迎えた。今回の小樽での開催は初めてとなる。主催はサッポロ未来展実行委員会。
 同実行委員事務局・谷地元麗子さん(札幌武蔵野美術学院)は「同展に参加できる作家を40歳未満としているのは、大学を出て10〜15年経ち、制作活動が大変となり、40歳で一人前のように区切りをつけ、作家を入れ替え、新しい作家を教育する意味合いもある。ジャンルを問わず、続けて発表する意志のある作家を集め、いろいろな人に見てもらい、自分を高め、社会的にも高めながら育ててゆきたい」と話す。
 小樽出身の武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科3年の川内隼人さんは、機能性や視覚的に考えた木製の家具を制作している。今回は、「twig(枝の意)」とタイトルをつけ、椅子を展示している。カナダ産のハードメープルという樹種を使い、自然に生える木のしなやかさと強さをイメージして、デザインから図面、制作とかなりの時間をかけて作り上げた作品で、初参加となる。
 川内さんは「デザイン学科なので、作品を発表することが無かった。今回、地元小樽で発表でき、うれしく思う。展示会を通して、同年代、地元の人と出会い、良い刺激となった。家具が好きで、手を動かして作ることが好き。今後、製品としてデザインし、機会があればコンペに出展したいと考えている」と話す。
 多目的ホールにひときわ目立つ、存在感ある作品「庭」と題して、フエルトを使用し、岩と砂を庭園のように仕上げた作品は、小樽出身の澁木智宏さんが制作。武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科を卒業。砂をイメージした細かいフェルトで模様を作りながら敷き詰め展示し、大変な作業となった。
 発想やイメージが多彩な表現の感心させられる作品が並び、見ごたえのある作品展となっている。
 市内在住の増山日向子さん(19)は「刺激を受けた。モチーフや、自分の内にあるものを表現するために、強いコンセプトがあって、伝えたいことがあり感動した。何も見ずに思いのままに表現している作品が多い」と感想を述べた。