巡視船「しれとこ」新旧交代 解役と配置披露式



 小樽海上保安部所属巡視船「しれとこ」の解役及び配置披露式が、時折激しく雪の降る3月26日(月)10:00から、色内ふ頭岸壁(色内3)で行われた。
 1,000トン型巡視船「しれとこ」は、昭和53年11月に竣工。33年間にわたり航走距離83万km、地球約21周分の航海をしたが、老朽化が進み、3月26日付で使命を終えた。
shiretoko1.jpg サミットでの海上警備、昭和58年9月の大韓航空機撃墜事件の捜索、平成5年の北海道南西沖地震、平成7年1月の阪神淡路大震災の海難救助、昨年の東日本大震災での災害支援活動等に活躍、156件の海難出動をしてきた。
 解役式で、野見山慎吾・小樽海上保安部長は「ここに勇姿を見ることができなくなるのは寂しい。幾多の困難を克服してきた。渡辺船長はじめ乗組員は、2代目となる巡視船が、安心安全に海を守るために、引き続き海上保安業務に邁進することを期する。33年間の功績を称え、労を労う」と式辞を述べた。
 中松義治市長は「膨大な功績を残し、33年の歴史を歩んできた。語り尽くせない。この巡視船にまつわる活躍を知れば知るほど、深い感慨と誇りを感じる。『しれとこ』の名が引き継がれ、さらなる歴史が積み重なることを心から願い、『しれとこ』の輝かしい歴史に深く敬意を評し、感謝する」と挨拶した。
 その後、船首にて献酒、国旗・庁旗を降下し返還した。船名の「しれとこ」の文字が消された。場所を「新しれとこ」に移し、配属披露式が行われた。
shiretoko2.jpg 「新しれとこ」は、平成21年3月に竣工。全長89m、幅11m、深さ5m、総トン数約1,300トン、速力約27ノット(時速約50km)。速力、操縦性能、夜間監視能力等が向上し、機動力に優れた複合型ゴムボートを搭載し、飛行降板を有し、他の巡視船艇やヘリコプターに燃料を補給できる。領海警備業務や大規模災害時の救助業務を行う拠点としての機能を強化している。
 高橋はるみ北海道知事は「海上の警備や人命救助など多大に貢献し、心からお疲れ様と言いたい。北海道海域の監視や捜索救難体制がより一層強化され、道民には頼もしい限りである。今後とも安全航行に留意し活躍を期待する。北海道の厳しい自然環境の中で、海の治安と安全を守る海上保安庁の皆さんに深く感謝を申し上げる」と挨拶した。
 来賓や巡視船「しれとこ」の幹部職員が紹介され、ミス小樽より花束贈呈が行われ閉式した。
 この後、「新しれとこ」の船内見学が行われた。「27ノットの速力で連続して20日間、1,800km航行可能、70トンの水が積め、1日12トンの海水から水を作ることができる」などと詳しく説明があった。
 巡視船「新しれとこ」の小樽海上保安部への配置で、道東周辺海域における海難救助など、海上保安体制がより一段と強化されることになった。