窓から見える景色に想う 日銀の望楼ツアーが人気

 雪あかりの路開催期間に合わせ、普段は公開していない日本銀行旧小樽支店・金融資料館の望楼に上ることができるツアーが、2月11日(土)・12日(日)、各日4回開かれている。120名の定員に321名の応募があり、急きょ定員を150名に増やした。今年で3回目。
 日本銀行旧小樽支店は、東京駅の赤レンガの設計者・辰野金吾らが設計し、1912(明治45)年7月に完成し、今年で100年の歴史ある建物。外観は、ルネッサンス様式を取り入れ、屋根には5つのドームを配し、うち4つは飾りで、1つは日本銀行では唯一の”望楼”となっている。外壁は、煉瓦の表面にモルタルを塗り石造り風に仕上げている。
 11日(土)14:00からのツアーでは、普段未公開の2階会議室に15名が入り説明を受けた。会議室から1階の様子を見ることもできる貴重な眺めを体験する。そして望楼へ。狭い螺旋階段を上って行くと円形の2つの窓があるスペースがあり、更に階段を上ると目当ての望楼に辿り着く。円形の部屋で、回りの景色を一望できるよういくつも窓がある。現在は建物が多く遠くの海が辛うじて見える程度だが、当時は、職員が小樽港の船の出入りの様子から経済情勢を分析していたという説がある。参加者は、初めて体験する望楼からの景色を楽しみ、昔を想像していた。
 小樽在住の友人と参加した女性は「今回で2回目の望楼ツアーで、何度来ても良い所で、金融資料館が好き。望楼から、昔のままの景色を見てみたいと思った」と話した。
 日本銀行札幌支店営業課・小林秀人主査は「夏場は金融資料館の利用者が多いが冬場は少ないということで、地域貢献のためにと、雪あかりの路の期間に合わせて開いた。当初は定期開催を考えていなかったが、望楼へ上ってみたいという意見が多かったため開かれるようになった。築100年経つことや螺旋階段や通路が狭いこともあり、夏での開催は今のところ考えていない」と話す。
 金融資料館は、年間10万人以上が来場し、昨年5月に80万人を超えた。歴史ゾーンでは、小樽の歴史や北のウォール街の町並みを模型で再現したものや、日銀のあゆみを知ることができる。お札ギャラリーでは、第2次世界大戦後からの日本銀行券を展示し、懐かしいお札を見ることができる人気のあるコーナーや、平成14年9月まで使用していた金庫に1,000億円を展示、偽札を防ぐ技術の公開や交換可能なお札についても分りやすく展示している。
 日本銀行旧小樽支店金融資料館外壁等改修工事を、平成24年3月26日(月)から11月30日(金)まで予定している。
 全面閉館期間(予定) 平成24年3月26日(月)〜4月27日(金)、11月1日(木)〜11月30日(金)
 部分開館期間(予定) 平成24年4月28日(土)〜10月31日(水)
 休館日:毎週月・火曜日(だだし、月曜日が祝日・振替休日の場合は火・水曜日)
 詳しくは、日本銀行旧小樽支店金融資料館まで TEL 0134-21-1111、FAX 0134-21-1201