「日本人が忘れたものがある」 ミンダナオの現地報告会


worldfriend.JPG ボランティア団体「OTARU ワールドフレンズ」による報告会「ミンダナオの風」が、10月19日(水)18:30から、生涯学習プラザ・レピオ(稲穂小・富岡1)で開かれた。
 同団体は、ミンダナオ(フィリピン)に送る靴の収集や、活動資金のためのフリーマーケット、雪あかりの路への参加などのボランティア活動を行っている。
 今回は、ミンダナオに住み、子ども図書館を設立し、現地の大学や高校の奨学生とともに医療や絵本の読み聞かせ活動を行っている松居友さんを講師に迎え、ミンダナオの現状を報告。
 松居さんは、「フィリピンは自殺率が低いが、日本は中高年の自殺率が高く、ひきこもりも多い。フィリピンで一生過ごそうと思ったのは、落ち込んでいた時に行ったら、言葉は通じないが、心が通じ、心が救われた。ミンダナオの子供は、社会に壁がない。家、近所に壁がなく、食べ物がなくても、みんな分け合い、喜びも分かち合う。日本の忘れたような大事なものが生きている。希望が持てることを感じたから。
 お金がなく病院に行けず、点滴すれば治るデング熱で死んでしまう子供がいる。私たち日本人は経済的な支援が出来るが、向こうは心を助けてくれると思う。向こうの子供を日本に連れてきた時に、町に子供がいないことにびっくりしていた。幼稚園と保育園に行ったら外に鍵がかかっており、 お爺ちゃん・お婆ちゃんが老人ホームにいる現状も伝えると、その子は、年齢別に閉じ込められると言った。わたしはショックだった。
 政府でも反政府でも、お金や物ではなく、子供たちが幸せな世界をつくって欲しい。やっぱり心のつながりが一番大切。ゆっくりゆっくり無理をしないでお付き合いしていきたい。まずはお友達になって下さい」と呼びかけた。
 講演の中で、現地のビデオや写真を上映し、「昔はジャングルだったが、日本がほとんだの木を伐った」。「皆から送られた靴には大喜びだっ た」。「車が動かなくなれば村の人みんなで助けに来る」。「イスラムもキリストも民族もみんなで人を助けに行く」。「宗教が違っても皆勉強出 来る学校をつくった」。「彼らが学校に行きたい理由は、家族を助けたい、兄弟を学校に行かせたい、家族のことを本当に思っている。日本人がな くしたものを持っている」。「2008年に戦争があったことは知っているか。2ヶ月で20万人も難民となった。軍用車に引かれた少女もいた」 などと解説し、悲惨な現状も合わせて語った。
 30人の市民が会場を訪れ、じっくりと耳を傾けていた。