高橋好子絵画特別展〜いちの根源を求めて〜


takahashiY1.jpg 高橋好子絵画特別展〜いちの根源を求めて〜が、10月8日(土)から15日(土)まで、学校法人共育の森学園(旧小樽女子短大校舎内)で開かれている。高橋さんは、小樽出身で小樽在住の画家。画業60年余にわたる代表的作品40点と画集を紹介している。
 高橋さんは、「共育の森学園へ寄贈させてもらい、特別展として校舎の一番良い所に展示され、感謝している。作品展の準備すべて主催者側にしてもらい、ひとつだけ役目が、今回の講演だった」と話す。
 10月13日(木)14:00より、講演「作品に込めた思い」が開かれ、3階教室には50名ほどが集まった。
 「絵画展のタイトルにあるように、”いのちの根源をもとめて”とは、今まで好奇心で絵を書いてきた、身をもって体験したことがテーマになっていて、あゆみの足跡が絵という形に残っている。5歳の時、弟が急死した。”人間の命ってなんだろう”という思いを、いくつになっても常に思っていた。“いのち”ってこういう事と考えたものが絵になった。絵が変化してきたのは、いのちに対する考えが変わってきたから。小・中・高の教員となり、最初の小学校の印象が強く、昭和20年頃、教え子がかわいらしくて宝物だと、かたっぱしから書いた。画集にも載っている」
 会場には、その当時の教え子も来ており、紹介されると、温かい拍手が沸く場面もあった。
 「次の変化として、いのちの根源は燃焼ではないかと思う。いのちも心も燃えているような表現に結びつき、燃える事をどう表現してよいか考え、お寺の仏像の不動明王の後ろにある光背のようなものではないかと思う。めらめらと燃え上がる炎の形を表現するため、わざわざお寺へ出向いたが、真似をしようとしても書けなかった。自分なりに燃えている絵を書き表現できたが、まだ、根源に達していなかった。
 次にサロベツ原野へ行った時の事、疲れて仰向けになった時、空を眺めた。白雲がいのちある消滅と同じように思った。空・雲・気流、自然界の流動感をどう表現するか考え、それが抽象画『空』となった。いのちは、刻々と移り行き、空間も、時も、その瞬間の切り口で生きているいのちを書くとすれば、流動感を出したいと思い、作品『空 1983』が生まれた。これからどんなものを書くのか自分でも興味がある」と話した。
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 そして、「『絵のことは分りませんが』と、言う人がいるが、絵は分らないというよりも自分がどう感じるか、自分の心で自信を持って感じるままでよいと思う」と、最後に話した。
 イラストを書いている女性は、「知り合いから聞いて講演会に来た。面白かった。絵は独特な感じがする。すっと入ってくるような抽象画だと感じた」と述べた。