3機の救急ヘリが連携 救急搬送の合同訓練


 小樽市消防本部とヘリコプター救急搬送3機関の連携訓練が、10月12日(水)10:30より、小樽市望洋ラグビー・サッカー駐車場及び小樽市望洋シャンツェで実施された。強い風が吹き、雨が降ったり止んだりのあいにくの天候の中で行われた。

 この合同訓練は4回目で、小樽では初めてのこと。小樽からは35名が参加し、全体では60名が参集した。

 訓練参加機関は、道央ドクターヘリ基地病院(手稲渓仁会病院)、道央ドクターヘリ・北海道総務部危機対策局危機対策課防災航空室、北海道消防防災ヘリ・札幌市消防局警防部消防救助課消防航空係、札幌市消防ヘリ・小樽市消防本部・車両7台(消防車両4台、救急車両3台)。

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 訓練概要は、大型バスと乗用車の正面衝突事故により、多数の負傷者が発生したという想定で、指揮、救助、救急、トリアージの各活動及び要請したヘリコプター3機と連携訓練を実施するもの。

 怪我人10名で重傷者3名(乗用車2名・バス1名)の想定。重症者3名は、多発外傷・腹部膨満・骨盤骨折・頭部外傷の症状で、ドクターヘリの出動を要請した。

 通常、手稲渓仁会病院渓より会場までは6分で到着できるが、強風のため7分を要し、上空を旋回する場面もあり、緊迫した本番さながらの訓練となった。

 札幌医科大学附属病院救急集中治療部高度救急救命センター・森和久さんは、「今回多数の傷病者を、救助・トリアージ(最善の救命効果を得るために、多数の傷病者を重症度と緊急性によって分別し、治療の優先度を決定すること)・処置・搬送と一連の訓練で、天候が悪かったが、上手くできたと思う。交通事故などでは、3機のヘリが出動することはあまりないが、多数の傷病者や災害時など出動する。現場に行き、その場で治療を開始するので、ドクターヘリは重要である。ヘリとの連携は、それぞれ各所に特徴があるが、3機一度に来たので、本部のコントロールが難しかったが、上手くできた。風のためヘリコプターが降りるのに苦労し、天候に左右されるため、本部の指揮系統が大変だった。連携において重要な事は、本部がしっかりと救助・トリアージ・搬送・ヘリへのコントロールができていないとうまくいかない。今後、 訓練を繰り返し災害に備えていきたい」と述べた。