身近な赤とんぼの話を聞く 運河館ギャラリートーク


akatonbo2.jpg
 運河館ギャラリートーク「赤とんぼから見る小樽の自然」が、9月24日(土)1100より、小樽市総合博物館運河館(色内2)で開かれた。参加者10名。講師は博物館山本亜生学芸員。赤トンボの写真を見ながら詳しく解説した。
 「古代「あきつしま(トンボの島)と呼ばれた日本列島は、豊かな湿地にたくさんのトンボが生息していた地域。唱歌「赤とんぼ」は、誰もが一度は口ずさんだ事がある歌である。北海道出身の日本画家岩橋英遠の絵巻方式に描かれた道産子追憶之巻には、トンボが飛び交う秋の有名な作品もあり、北海道と赤とんぼは縁が深い。
 赤トンボとは、広い意味では、赤い色をしたトンボ。学問的には、アカネ属のトンボだが、アカネ属以外にも赤トンボは多い。赤くないアカネ属のムツアカネというトンボもいる。
 トンボの生態は、植物の多い池や沼に生息。春はヤゴで水中で暮らし、夏は人目につかない所でひっそりと暮らし羽化し、夏のトンボは黄色っぽく、秋になるにつれ、体が出来上がり赤くなる。オスは、赤くなるが、メスは、さほど赤くならない。そして、水辺に現れ繁殖し産卵する。赤とんぼ独特の連結打水産卵、連結打空産卵と呼ばれる産卵方法がある。
赤とんぼの見分け方は、羽の模様・眉毛・胸部・腹部の細かい特徴がある。北海道に13種、そのうちの9種が小樽に生息している。他の4種も見つかる可能性がある。
 アキアカネは、もっとも一般的で多く、旅をするトンボと言われ、暑さに弱いため、涼しい山へ20km移動できることが調査で確認された。ナツアカネは、小樽ではまれで、温かいところを好む。タイリクアカネは、やや大型、羽の基部が黄色い。見つけるのがめずらしいノシメトンボは、あまり赤くならない。コノシメトンボは、真っ赤なトンボ。ミヤマアカネは、やや流れのある場所を好む」と、9種についてそれぞれ特徴を説明した。
 「北西風にのって秋に飛来するオナガアカネ・タイリクアキアカネは、最近銭函で採集され、トンボマニアには注目されている。人々に親しまれている赤とんぼ、冬までには死んでしまい、卵が越冬する。トンボを捕まえる方法として、指を回しトンボの目を回して捕まえる方法を経験したことがあると思うが、トンボは、動くものをじっと見る習性があり、目を回す訳ではない」と説明した。
 その後、博物館に展示しているトンボを、先ほどの話をもとに観察した。参加者は、質問したり、熱心に耳を傾けていた。
 博物館ボランティアと友の会会員の市内在住の女性2人連れは、「自然が好きで、今回は、トンボの話を聞くことができて良かった。最近、昔のようにトンボが飛んでいないと感じる。質問にも答えてくれて良かった」、「歌にもある赤とんぼ、昔、虫かごに沢山集めた。トンボと遊んだことが思い出され、懐かしさを感じた」と話していた。