鉢呂経産相"舌禍"で辞任 わずか8日間の大臣


 9月2日(金)に発足した野田内閣で経済産業相として初入閣した、小樽など道4区選出の鉢呂吉雄大臣は、10日(土)夜、自身が招いた舌禍事件の責任を取って辞任した。わずか8日間だけの大臣生活となった。
 鉢呂大臣は、8日(木)、野田総理大臣とともに、大震災の被災地に赴き、東電福島第1原子力発電所などの状況を視察後、東京の議員宿舎に戻った際、取り囲んだ記者のひとりに身体を擦り付けて、「放射能をうつしてやろうか」と発言したと報道された。
 さらに、9日(金)午前の会見で、福島原発周辺の市町村は「死の町」だったと発言したと報じられた。これを受けて、内閣や与党、さらに野党からも、不穏当な発言だとの批判が高まった。野田総理も謝罪・訂正を求めた。
 このため、10日夜、野田総理と鉢呂大臣との会合が行われ、この席上、鉢呂大臣は辞表を提出し、野田総理はこの辞表を受理した。
 これにより、小樽・後志・手稲の道4区選出の30年ぶりの大臣誕生劇は、わずか就任9日目で幕を閉じる結果となった。
 地元・小樽では、30年ぶりの大臣誕生、しかも経済産業大臣という重要閣僚に就任したことで、期待が高まっていた。中松義治小樽市長は、「経済産業大臣は大変重要なポストであり、大いに期待しております」と歓迎していたが、これもぬか喜びで終わった。
 鉢呂大臣は、経産省で10日21:30から記者会見を開き、「本日、野田総理にお会いし、私、経済産業大臣を辞任いたしたいと申し出させていただき、受理していただきました。私の一連の発言で、国民の皆様、とりわけ福島県民の皆様に不信の念を抱かせ、大変、心からお詫び申し上げます。大変どうもすいませんでした」と、涙を溜めて深々と頭を下げた。
 この情けない様子は、直ちに、テレビ局が全国ネットで伝えた。
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