先祖の供養と大震災の慰霊 「おぼん万灯会」


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 ロウソクの淡い灯りに揺れながら、先祖を供養する蓮華灯が、一つまた一つと、池の水面をゆっくり流れてゆく。
 8月19日(金)17:00より、小樽運河公園(色内3)で、毎年恒例の「おぼん万灯会」(小樽佛教会主催)が開かれた。
 「おぼん万灯会」は、2000(平成12)年から始まり、今年で12回目を迎えている。会場となった運河公園の噴水池の周りには、かがり火が焚かれ、水面を明るく照らした。縁日屋台も並び、お盆の風情がひときわ高まった。
 17:30から、雪永枝・歌謡ショーや「鼓響」による和太鼓演奏があり、18:50から「おぼん万灯会大法要」が行われた。今年は、先祖の供養と合わせ、東日本大震災の犠牲者の慰霊も行われた。
 小樽佛教会・土屋大乗会長(妙龍寺住職)は、「今回の大震災では、沢山の方々が亡くなり、行方不明者や身元確認されていない方も沢山おられる。家族が一緒に暮らせるありがたさ、命を頂いているありがたさを気付かせてもらった。命を与えてくださったご先祖に報いるための一つに、この『万灯会』がある」と話した。
 名前が書かれた6000個の灯篭に明りが灯され、各宗派の僧侶の読経が行われる中、ロウソクの明かりが点された蓮華灯が、池に次々と流された。
 かがり火と灯篭の明かりで、会場はひときわ幻想的な雰囲気に包まれ、流される灯篭に手を合わせる人の姿も多く見られ、静かに故人を偲んでいた。