道に派遣要請の副市長人事 異例の見送り



 中松義治市長の副市長選任人事が、大きくつまずいた。
 市長は、女房役となる副市長人事の選任議案を、開会中の第2回定例会に提出することにしていた。
 このため、市は、パー券事件による政治資金規正法違反で、罰金刑と公民権停止の処分を受けた関係部長らの分限懲戒審査を急いでいたが、結論にいたらなかったため、市職員やOBからの内部昇格を断念。民間人の登用と道からの派遣要請を検討したが、結局、新市長の行政経験の浅さを考慮し、道に派遣要請するに至った。  
 6月に、迫総務部長が道庁に赴き派遣要請を行ったが、市の政治資金規正法違反事件や借金財政の先行きが不透明なことなどで、道から色よい返事がもらえず、7月15日に予定していた追加議案の提出を断念した。
 市は、政治資金規正法違反事件の外部調査委員会の結論を待って、9月の第3回定例会に、改めて提案する予定としていることを、12日(火)の記者会見で迫総務部長が明らかにした。
 市長の女房役となる副市長人事が頓挫したことに、総務部長が記者会見して事情説明したことに対し、記者からは、「なぜ市長自身が出てきて説明しないのか。市長は逃げているのか。」との指摘がされた。これに対し、動揺した迫総務部長は「正式に道からの派遣が決まったときには、市長から説明することになる」と答えた。
 今回の副市長人事の異例の見送りで、半年間は副市長不在の状態が続くことになる。「他市のように副市長を置かないとする選択肢もあるのではないか」との指摘もされた。
 結局、中松市長後援会が起こした市政の異常状態の解消がないままでの、道からの派遣人事が進まないことを、市自身が再確認させられた格好となった。