パー券事件の山崎総務部長が会見 「認識の甘さ」語る


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 中松市長後援会の事務局長から依頼され、市役所内で公務員の地位を利用してパーティー券を販売し、政治資金規正法違反で略式命令を受けた山崎範夫総務部長(58)が、5月27日(金)10:30から、松田ビル(色内)で弁護士立ち会いのもと、記者会見を行った。

 この中で、山崎部長は、今回の事件では、政治資金規正法に対する自身の認識の甘さから、自らが、副市長を含む各部長に販売を依頼したことを認めるとともに、それが公務員の地位利用による政治資金規正法違反にあたり、今回の起訴・処分となったとの認識を示し、「市民に深くお詫びします」と頭を垂れた。

 また、今後の進退については、議会の特別委員会や外部の調査委員会に出席し、細かいことも述べて、職員懲戒審査委員会の処分が行われた時点で判断するとした。

 山崎総務部長は、今回、降格することなく、6月1日(水)付で、生活環境部参事(北しりべし廃棄物処理広域連合派遣)に異動することになった。

 中松市長は、議会の特別委員会や外部による市の調査委員会などで、出席を求められ説明することになるので、この業務を担当する総務部長には適当でないと判断し、異動させたとしている。小樽市を揺るがしたパー券事件の解明は、今後は議会と市の調査委員会と職員懲戒審査委員会の処分が、どう行われるかに注目が集まることになる。

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 記者会見の冒頭で、山崎部長は

 「先週の金曜日の5月20日にですけれども、札幌簡易裁判所において、政治資金規正法違反により、略式命令を受けたところです。当日、弁護士さんを通じ、お詫びのコメントを出ささせて頂きました。

 その後、体調を整えていましたが、本日から出勤させて頂くことになりました。改めまして、今回の事件では、市民の皆様の市役所に対する信頼を揺るがすことになり、大変申し訳なく深くおわび申し上げます。さらには、多くの市民の皆さんそして、関係者の皆さんに大変多大のご迷惑をおかけし、誠に申し訳なく思っております。

 また、市役所の各部長職の皆さんをはじめ、すべての職員の皆さんに対して、このような事件を起こし、ご迷惑をおかけしたことを心から深くお詫び申し上げます。これからのことでは、今回の重大な判決を真摯に受け止め、私なりに時間をかけて総括していきたいと思っております。

 また、議会の場で、調査特別委員会を設置すると聞いていますし、また一方で、市の内部に第三者による調査委員会を立ち上げると聞いていますので、その中でも真摯に誠実に対応していきたいと思っております。重ねてお詫び申し上げます」

 以下は、記者との質疑応答から

 これまでの経過

 「正確な日時等は記憶しておりませんが、4月20日前後から事情聴取があり、それ以降5月1日に逮捕されることになり、後はずっ−と取り調べ状態で、5月20日に略式命令を受けました。略式命令を受けてから、体調が少し悪くなり、これまで体調を整えていたというのが経過です」

 「捜査当局の調べの中で、これはもうすべてお話をして、その中で結果として、こういう形の処分があった。これから議会の特別調査委員会などに出て行って、しっかりきちんとお話をしていきたいと思って言います。個々の細かい話はその中でさせて頂く」

 身柄を拘束された体験は?

 「なかなか一言ではいえないが、ひとつは、事件そのものの原因だとか、どうしてこうなったのか、極めて安易に起きたことで、認識が足りなかったので、そのことをあの中にいて、きちっと自分で理解しなければならないということ、それがまずひとつ。

 当然、狭い空間の中で、見たこともない、経験したこともない世界で、生活のリズムも大変でしたし、なかなか眠れない状態で、自分の犯した罪を考えて、何とかきちっと話をしていこうということで、なんとか20日間を過ごしたという感じで、まだ時間が経たないと総括できないと思う。取り調べは結構長く、朝から夜まで一日中だった。接見は弁護士だけで、捜査当局にはきっちり話そうと思っていた。家族や市民の皆さんにご迷惑をかけたと思っていた」

 市役所内のパー券販売について

 「個人的にはいくら無理しなくてもいいよとか、強制していないよと言っても、この法律(政治資金規正法)の解釈から言えば、当然、上司と部下の関係ですから、そういう形としてはそうなるというのは、今にして思えばそう思う。我々市役所の人間関係があるもので、その中で、無理しなくていいよとか、強制するつもりはなかったもんですが、法律から言えばその通りなので、言い訳できることではない」

 松川氏からの依頼を断らなかった理由は?

 「そのところは自分なりに考えたが、私の業務を含め、日常的にスケジュールに追われながら、これは言い訳にはならないが、私のところに来た時に、一度立ち止まって吟味して、じっくり考えることが抜けていたのかと思う。今回依頼に来た人が、古くからの友人であった。平成11年の時にこういうこともあり、自分も券を買ってパーティーに出たという記憶が頭にあったということがあったからではないか」

今まで慣例的に行われていたのか?

「私自身は、平成11年頃にこういった件で、パーティーに参加した記憶があり、市職員も大勢いたことを覚えている。平成15年の記憶はない。平成19年の時は、自分は港湾部で、本庁舎とは離れている第三埠頭の中にいて、券そのものの話もなかったし、回収したとかいう話も一切承知していなかった。今回初めて聞いた。政治資金規正法のことについての認識を、基本的に持っていなかった」

 事件の起きた背景は?

 「私自身が頼まれたことに対する判断の誤りがすべてだと思っている。私がしなければそれですべてなかったことであると思っているので、コメントすることはない」