山田市長「今、感無量」 市議会で12年間の市政を振り返る 


sityouteian1.jpg 2011(平成23)年度の予算を審議する小樽市議会第1回定例会が、2月23日(水)から開会した。山田勝麿市長の任期最後の定例会で、提案説明の冒頭、この3期12年間の市政を振り返った。
 市長は、財政問題について、「市長に就任した平成11年当時は、ちょうど、バブル崩壊後の『失われた10年』と称された時期であり、日本経済は失速し、将来に対する目標の喪失感や挫折感がまん延しているときでした。
 市の財政も、それまで数年間続いていた単年度収支の赤字基調の中にあって、市税収入の減少が懸念される段階に入り、将来の市債償還の増加などによる収支の悪化も予想されたことから、まず、平成12年11月に『財政健全化計画』を策定し、事務事業の見直し等に取り組んだところであります。平成11年度をピークに、現在にあっても市債残高は減少を続けており、将来負担の軽減につながっているものと考えてます。
 2期目に入り、それまでの健全化の取組をさらに強化することにより、収支の改善に努めていた矢先の平成16年に、いわゆる『三位一体の改革』が行われたわけであります。既に財政調整基金等の積立てがなく、ぎりぎりの財政運営を続けていた本市にとりましては、この衝撃は信じがたいものでありました。私はあえて、予算編成上の財源不足を『雑入』に形式的に計上することとしました。
 平成17年度に最大約14億円まで達した一般会計の累積赤字の最大の要因は、この改革による影響であると思っており、3期目当初には、10億円を超える累積赤字を抱える中で、様々な財政負担の増加要因が重なり、苦渋の選択ではありましたが、議員各位や職員の理解を得て、緊急避難措置として、平成20年度から期末手当の削減にも踏み込んだところです。いまだ、真の意味での財政健全化とは言えない状況でありますが、確実にその方向には向かっており、今しばらく健全化の努力を重ねる中で、必ずや磐石な市財政となり得るものと考えており、また、そのように願っているところです」とした。
sityouteian2.jpg 市立病院問題については、「私の1期目から重点項目に掲げた政策課題であり、『老朽化した二つの病院の統合・新築は、不可欠である』との認識のもと、小樽・北後志の地域住民の命と健康を守るために、また、市の財政課題の解決のためにも、必要な施策であることを一環して確信し、取り組んできたところであります。
 平成19年度には、市の財政状況が著しく悪化したほか、病院事業を取り巻く情勢が変化したことなどから、一時的に築港地区における基本設計を断念せざるを得ませんでしたが、その後、設計の再開を模索する中で、平成20年度に『市立病院改革プラン』を策定し、平成21年度には、地方公営企業法の全部適用を行い、病院局長として札幌医科大学から並木教授を迎え、経営の効率化に取り組んできたところです。
 市民の皆さんを始め、市内医療機関など関係各位の意見や考え方を踏まえ、総合的に判断した結果、建設地を現小樽病院、量徳小学校敷地に変更することとし、本年度は新築工事に係る基本設計を実施いたしました。この基本設計を踏まえた実施設計の予算について、今議会に提案しましたので、後ほど、ご説明申し上げます。
 病院の新築・統合につきましては、ここまで時間を要しましたが、平成23年度当初に実施設計の予算を計上したことで、建設に向けた方向付けができたものと考えており、今後計画どおり事業が進むことを願っております」と原稿を読み上げた。
 最後に「私自身、この小樽に生まれた生粋の小樽人です。3期12年と言っても、150年近い歴史を有する中で、首長としては、その10分の1にも満たない期間を担当したにすぎませんが、職員時代を含めますと半世紀以上、この小樽において地方自治一筋で生きてきたわけであり、今、感無量であります。短くも長いこの期間のご支援、ご協力に、重ねて厚くお礼申し上げます。ありがとうございました」と3期12年を総括した。こちら
 今定例会で審議される2011(平成23)年度の財政規模は、一般会計予算では551億7,215万円、特別会計合計では340億5,055万7,000 円、企業会計合計では234億2,795万3,000円、全会計で1,126億5,066万円となっている。同定例会は、14日(月)まで。日程
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