ベトナム観光船沈没で死亡の日本人学生 母校潮陵高が会見


vietnam1.jpg ベトナムの観光船沈没で死亡した日本人が、北海道潮陵高校(潮見台2)の卒業生・中原惇平さん(20)だったことが分かった。小野校長は、18日(金)13:45から同校で記者会見を開き、「尊い命を落としたことは大変痛ましく鎮魂の極み」と唇をかみ締めた。
 同国での観光船沈没は、17日(木)早朝に発生し、外国人観光客ら12人が死亡した。この乗船客のうち1人が明治大学の日本人男子学生であることが分かり、その訃報が新聞・テレビなどで一斉に報じられた。
 男子学生は、北海道潮陵高校出身の中原さんだということが確認され、同校にも伝えられた。これに伴い、小野校長、当時の増田康広担任教諭、ラグビー部顧問・熊谷直之教諭らが記者会見を開いた。
vietnam2.jpg 小野校長は、「在校当時は真面目で明るく成績優秀でクラスで人望ある生徒でした。また、ラグビー部の中心選手としても活躍し、文武両道で頑張り、まさに本校の目指している生徒で、明治大学に進みました。この度の事故でご両親の心情を察した時、痛ましい気持ちで一杯です。心からのご冥福をお祈り致します」と話した。
 増田担当教諭は、「語学が好きでフランス語も自分で調べて勉強していた。日本の外に出て海外を見たいという思いが、大学に行って一気に花開いたのだと思う。昨年の春にはメキシコに行き、今回は、友人と3人でベトナムに行く予定だったが、友人たちがお金の都合がつかず1人で行くことになったようだった。優しく、思いやりがある生徒だった。3年生の時には、仮装ダンスで真ん中で一番目立つ役で頑張ってくれた。気持ちの整理がつかない。嘘だと思いたい」
 熊谷教諭は、「5人しか部員がおらず、絶対部員を増やすと言って頑張って、本当に試合が出来るようになった。フォワードでいつも体張って頑張っていた。卒業後も練習に顔を出してくれたりしていたので、またふっとグラウンドに立っていると思いたい。『アップ』という言葉の声が特徴的で、今でもグラウンドに響くようだ」と途中声をつまらせ、涙を浮かべながら思いを語った。