ポプラの根を掘り起こし 樹木医「根として文句のつけようがない」



 市立文学館・美術館(色内1)の広場整備工事で、4日(月)に伐採した4本のポプラの根の掘り起こし作業が、9日(土)13:30から行われた。
 この4本のポプラ並木は、約60年間、小樽の街並みを見守り続けていたが、小樽市の「倒木の危険がある」との理由で、4日(月)に伐採された。
 市内在住の中村哲世樹木医が診断したところ、「倒れる危険性は全くなく、伐採の必要性も全くなく、少なくとも50年は長生き出来る」との結果が下されていた。
 伐採後の根の掘り起こしは、手宮線と同館敷地の境界に立っていた塀の解体作業をした後、9日(土)午後から実施された。作業員は、大小の解体・破砕機を使用し、根の周りの土を約2mほど掘り、地面に埋まっている根を切断。この時、根の断ち切られるブチブチという音が周辺に広がった。
 周囲を掘り起こし、根をわしづかみにし、何度も上下左右に揺れ動かした。根は、地面深く入り、横にも広がっており、最初はビクともしなかった。重機との力相撲を何度も演じた後、約3時間かけ、根は引き抜かれた。
 中村樹木医は、「根の写真を見たが健康そのものだ。切株を見ただけでも分かるし、根は地面深くに入っていて、根の土のふんばりの問題もあるが、ちょっとやそっとの台風では倒れない。根は深くささって横にも広がり、根として文句のつけようがない。伐ったのは可哀想だ」と話していた。
 ポプラ並木を守る会の松浦光紀代表は、「こんなに根が深く入っていることに驚いた」と作業を見守っていた。
 引き抜かれた根は、同日、桃内の処分場へ運ばれた。
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