銭函風力発電 小樽で初の住民説明会


huryokusetumeikai.jpg 銭函風力開発株式会社(東京・松島聡社長)は、10月5日(火)18:00から小樽経済センター(稲穂2)で、小樽市銭函地区における風力発電事業について、市民を対象とした住民説明会を初めて開いた。
 銭函風力発電所(仮称)事業は、銭函4丁目、5丁目地先国有海浜地に、2,000kwの風力発電機15基(日本製鋼所製)を建設する計画。
 2009(平成21)年5月から2010(平成22)年10月まで、環境・測量・地質調査。2010(平成22)年11月から2012(平成24)年12月まで、設計及び工事を予定している。現在、地質調査中で、この調査結果を踏まえ、詳細設計を実施する。
 同社は、9月10日(金)から縦覧を始めた風力建設事業に伴う環境評価書案の内容を発表。会場には約100名が参加し、「なぜ銭函にこの規模のものを作らなきゃいけないのか」。「CO2の削減と経済効果は」。「被害が出ている影響は何か」などと質問した。
 これに対し、会社側は、「ここだけでなく、北海道から九州まで発電所をつくって事業をやらせてもらっている。新エネルギーの中で風力発電は一番有効で、風のポテンシャルは無限」。
 「CO2の削減は、年7,000万kwの発電で3万8,000トンの削減が出来る。今は、バギー車が入り込んだりしているが、土地再生をして排除する。我々の目が入ることでゴミの不法投棄もなくなる」。
 「専門家の意見を聞きながら判断をさせてもらっている。風車による低周波音は影響はない。問題になるのは、聞こえる部分の音で、距離を取るとか防音するとか対策をやれば問題ないと思う。200から300mに近いところは、音の問題があるかもしれないし、原因については何ら回答出来ないが、風車の超低周波音は影響ない」と答えた。
 会場からは、「生物多様性の保全を訴えているが、これだけ巨大な自然破壊はやるのか。貴重な自然多様性は守られるのか。環境評価の最後は、自然海岸生態系の保全に重大な影響を与えることになったと締めくくっていただきたい」
 「札幌からわざわざ来たが、石狩新港に立つ風力発電機が、小樽に来るまでの海岸線からはっきり見える。実際に建ってみないと体にどんな影響があるのか分からないじゃないか」
 「この砂浜から林までの生態系の危険を心配する人がいる。これも払拭出来ない。環境に配慮して5基減らしたと言っているが、生物多様性だけでなく人にとってもかけがえのない場所。環境が変わるということは認めているので、これを白紙に戻してもらいたい」などの指摘が上がった。
 説明会後に開かれた記者会見で、松島社長は、「反対される方が、低周波の影響を訴えているが、我々は全国に風車を設置しているが、問題は起きていない。建設による生態系への影響は軽微」と訴えた。
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