花園の「江差亭」 祝津の「群来陣」が閉店


esasitei.jpg 小樽の繁華街・花園で、約50年にわたって営業していた郷土料理店「江差亭」(花園1)と、同じ経営だった「群来陣」(祝津3)が併せて閉店し、関係者に波紋を投げかけている。
 花園の郷土料理店「江差亭」は、江差出身の干場豊さんが、約50年前に花園繁華街にオープンした。店内は、ナラやタモ、神代、ケヤキ、オンコ、杉など北海道の材木を利用し、鰊の千石場所を思わせる造りとなっていた。長い歴史の中で、後継者育成にも務め、何人もの職人が修業し、後に独立して同じ花園で店を開いている。
 干場さんは、祝津にある白鳥家番屋の取り壊し計画を知り、1994(平成6)年に土地・建物を取得し郷土料理店へと改装した。同番屋は、祝津の三大網元の一つであった白鳥家が、1877(明治10)年頃に建てた鰊漁の番屋。旧白鳥家の屋敷を改築した現存する最古級の鰊御殿として、小樽市歴史的建造物に指定され、祝津の観光スポットとなっていた。
 しかし、「元気なうちにやりたいことをやりたい」と今年2月に引退。江差亭と群来陣の2店舗は、札幌の土木建築業者が、土地・建物を購入し、経営を引き継ぐことになっていたが、体調不良を理由に、以後閉鎖したままとなっている。
kukijin.jpg 同業者は、「花園の中心的存在だった江差亭がなくなってしまったのは寂しい。小樽の飲食業界は最悪の状態にあり、バタバタと店を閉めるところが多くなっており、生き延びるだけで大変だ」と話す。
 「群来陣」は、手宮から祝津に抜ける道道小樽海岸公園線「通称”番屋通り”」にある。この通りには、北後志風土ツーリズム協議会によって修復された「茨木家中出張番屋」(祝津3)が建ち並ぶ。
 祝津町民や観光業者でつくる「祝津たなげ会」は、「せっかく、茨木番屋を修復したと思ったら、また一つ利用されないことになった。今後、白木番屋がどのように活用されるか見守るしかない。違う人が買ったとしても壊すことはないだろう」と残念そうに話している。