市・分庁舎のポプラ並木を伐採へ 美術館・文学館の整備 (2010/06/21)

 小樽市(山田勝麿市長)は、市立美術館・文学館が入居する市分庁舎(色内1)の再整備工事で、同敷地内に聳え立つ4本のポプラ並木を伐採する方針を固めている。

 この整備事業は、1億4,630万8,000円をかけて、1階に多目的スペース(約160平米)を設置し、3階の市民ギャラリーを移動する。3階には、市内在住の一原有徳氏のアトリエを再現する。現在の駐車場は、手宮線と一体化させる広場にするという。

 現在、この分庁舎敷地内には、青青と茂る樹齢60年の大きなポプラの4本並木が立っている。このポプラは、市分庁舎(旧小樽地方貯金局)が建設された 1952(昭和27)年以前から立っており、幹は直径80cmもある。当初は5本だったが、昭和60年、強風で1本倒れてしまったという。

 市では、「こんな大きな木が倒れたら大変。夏になると緑がとても多くなりもったいないが、手宮線との一体感を出したいし、ポプラは根が浅く、昭和60年の風が強い時に倒れたこともある。安全のため」 だと、この4本のポプラの木を伐採し、手宮線と敷地の間に建つ塀も撤去することにしている。

 しかし、このポプラに並んだ入り口側には、灰色のコンクリート電柱が立っている。「撤去するには、2,000万円以上かかる」として、市街地で緑の都市景観を形成しているポプラの並木はバッサリ切るが、灰色の無機質な電柱はそのまま残すことにしている。

 市内の樹木医は、「50年以上も経っている木なのに、見たところは健康だと思う。並んで立っているから、人の手で植えたものだと思う。何か思い入れがあるのかもしれない。人の手をかければまだ50年は生きるので、広場にするのであればここのシンボルにした方が良いのではないか」と話している。

 市は、2006(平成18)年11月に景観法に基づく景観行政団体となり、景観行政の指針となる『小樽市景観計画』を、2009(平成21)年4月に施行。自然景観の保全を図り、自然と街並みの調和がとれたまちづくりを目指している。

 小樽市議会第2回定例会でも、この問題に対する質疑が行われた。おたる緑のまちづくりの会に所属し、桜や柳の植樹活動を行う山口保議員は、「ポプラの木を切るのは反対してないが、色々言われるだろう。あそにシンボリックな木を植えた方が景観上良い」と述べている。

 この伐採の方針は、教育委員会と建設部まちづくり推進課、観光振興室などで話し合い、「ポプラの性質や樹齢を考えて決めた」という。しかし、手宮線を管理する建設部緑化公園グループでは、「以前、小樽ジャーナルで、ポプラの剪定の仕方で景観上の指摘をされたので、伐採することには消極的だ」と見解を述べている。

 美術館・文学館では、「こんな大きな木が倒れては大変。市長にも説明している」と、7月中には図面を作り、お盆過ぎに工事を発注し、10月末の完成を予定している。

 歴史ある手宮線の変遷を半世紀にわたって見続け、まだまだ寿命がある4本のポプラ並木の樹木診断もせず、バッサリ切って出来る広場とは、一体、何のか。命あるポプラ並木は、現在、緑の葉を茂らせ、北海道らしい景観を創り出している。

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