新病院建設単価に質疑集中 病院特別委


 市立小樽病院調査特別委員会(成田晃司委員長)が、5月28日(金)、市役所別館第2委員会室で開かれ、このほど明らかになった新病院の建設単価について質疑が集中した。
 冒頭、小樽市病院局は、このほどまとめた「新病院計画概要(案)」と「小樽市立病院改革プラン」の進捗状況を公表した。
 中島麗子委員(共産)は、「病床数388床に、医師は何人で予定しているのか。札幌市東区の民間病院は、新市立病院と同じ規模の2万9,000平米で 450床。1平米20万円で建設費は90億円となっている。小樽市は1平米33万円で、民と公の違いはなぜ出てくるのか。経費が安く建てられるなら市にとっても、金を貸す国にも良いのに、なぜ高くなるのか」と質問。
 「病院開院までに50人、運営していくと60人ぐらいまで持っていきたい。これでかなり高度な医療を提供出来る」(並木昭義局長)。
 「民間病院では、基本工事、電気、設備など、大手に一括発注する。公立病院は、地元の建設業者で作る共同企業体に分割発注することから、結果として大きな差が出てくる。築港地区で基本設計を始める前は、国立病院機構の1平米25万円~30万円の30万円を採用した。今回は、量徳小学校での地盤の問題で増加要素があるため33万円と出している。出来るだけ安く建てることが良いので検討していくが、今の目安は国立病院機構が出している30万円に増加要素を足した基準を額にしている」(病院局・病院新築担当副参事)
 「25万円でも良いが、結局、自治体の病院は30万円を超えている」(吉川勝久・病院局経営管理部長)
 濱本進委員(自民)は、「100億円ぐらいの仕事は、近年、小樽にはなかったと思う。大きな工事発注は、地元経済への波及も考えているのか」と質問。
 山田勝麿市長は、「先ほど、中島さんは安くやれと言ったが、確かに大手でやれば安いが、良く皆さんと協議し、地元でも安く一括で出来るか、これから検討したい」と答弁。
 鈴木委員(自民)は、「問題は建てて大丈夫なのかと心配している人がいる。外来患者、入院患者の設定は」。
 「入院患者は、今のレベルで予定している。外来は、21年度決算見込みは700人としているが、診療科目が増えること、機能が充実して患者が増えるとみて 800人弱に設定する。二次医療をきちんとやれば札幌に行かなくてもよい医療を提供出来る」(小山秀昭病院局経営管理部次長)。
 秋元委員(公明党)は、「安く病院をつくるのに、設計、施工管理など総合的な建設管理を行うCM(Construction Managemen)方式というのがあるが、これは、100億だった建設費が50億、150億だったものが90億円と、こんなに安くなるものなのかと驚くシステムで、小樽市は、これの研究はしているか。先日、市長は、病院職員の給与費はまだ高いと言っていたが、民間とはどれくらいの開きがあるのか、調べているのか」と質問。
 「今後、色々な考え方を検討し、必要であれば採用して、安く工事をしていく」(病院新築担当副参事)
 「ガイドラインに示している比率よりも下回っているがまだまだ甘い」(吉川部長)
 高橋克幸委員(公明)は、「これから起債の話し合いになっていくが、どのハードルを越えていかなければならないのか。建築単価のコストダウンをするために考えているものはあるか」
 「22年度の不良債務解消、少なくとも25年度の資金不足解消はやり遂げることが必要。特例債を借りた時に職員給与の是正が必要と言われ、市全体のことだが、手当ての改善も必要だ」(小山次長)
 「病院は休みなしで使うので、建物の質を落とさないことが基本。断熱材とか金のかかる方向に行ってしまうので、設計会社と相談しながら機能を損なわないようにしていきたい」(病院新築担当副参事)。
 大橋一弘委員(平成)は、「地元に発注するから高くなるとか、東京の大手に発注したら安くなるとかの議論もあるが、医療機器がいくらになるのかという議論もするべきだ」と指摘した。
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