新病院基本設計に4,300万円 市が再び予算計上


 小樽市(山田勝麿市長)は、6月3日(木)開会の小樽市議会第2回定例会に、病院統合新築工事基本設計分として4,300万円の予算を再び計上することを、5月27日(木)に明らかにした。
 築港地区で進めていた基本設計の中断から2年半、今度は、場所を量徳小学校敷地に変更しての再発注。
 前回の基本設計業務は、久米設計札幌支社に5,985万円で発注していた。しかし、発注から8ヵ月後、「病院事業を取り巻く状況が大きく変化した」との理由で一時中断。基本調査、与条件整理、基本計画案(ブロックプラン作成)、契約解除のための資料作成など、43%分の2,581万円を同社に支払った。
 今回は、「前のデータがかなり使えるが、場所が変わり、地形が違うためのボーリングをする必要がある」(山﨑範夫総務部長)と、前回データを活用した上で、4,300万円の予算をはじき出したという。
 「これはあくまでも予算。前回も8,000万円の予算を出したが、落札額が70%に落ちたので、まだ減る可能性もある」としている。4,300万円のうち、一般会計から2,150万円の繰入金が投入される。
 山田市長にとって、新病院建設は、任期12年の最重要公約であった。しかし、建設費の起債の許可が取れないことから、築港地区での建設中断を余儀なくされた。設計会社に支払った基本設計料2,581万円は、無駄となり、市民から住民訴訟が起こされ、口頭弁論も最終段階に入っている。今回の基本設計の再発注には、ドブに捨てた委託料が無駄でなかったと言い訳する意図が透けて見えている。
 残す任期1年を切った山田市長が、再び、なりふり構わず強引に進める今回の量徳小用地での148億円の豪華新病院建設の先行きは、極めて不透明であることは、築港地区での失敗を見ても明らかだ。
 起債頼りの新病院建設では、起債の許可が取れるかが重要だが、先に起債の許可が取れず、建設中断に追い込まれている。今回の新病院建設での起債を国が認めるか。市の一般会計も病院会計も多額の借金や不良債務を抱え、到底、起債の許可基準を満たしていない。しかも、148億円の建設費は、医業収入を考えれば、半分の74億円程度で十分だとされている。
 再度浮上した山田市長の新病院建設については、公立病院改革ガイドラインを作った長隆氏は、ツイッターで、「総務省の改革ガイドラインを無視して起債?」としている。
 「小樽市民病院はギリシャ、財政規律ゼロ,信用不安,借金まみれで医師の不信を解消出来る筈はない!公務員の給料問題解消と集中が最優先です!3:46 PM May 25th Twittelatorから」
 「小樽市民病院・量徳小での新病院建設 23科・388床で148億7,300万円 (小樽ジャーナル2010/05/25詳報)・・・年間医業収入80億以内・民間比較なら60億以下でしょう。総務省の改革ガイドラインを無視して起債?過疎債も借金。交付税制度が大きく減額傾向続く。リスクは市民!2:26 PM May 25th webから」
 新病院建設中断を余儀なくされた市長は、凝りもせず再び基本設計を発注し、市民に負担を強いようとしている。残り少ない任期の中で、市民に負担を被せるだけ被せて、12年もの長い任期を終えようとするのだろうか。
 第2回定例会で基本設計料を計上した予算が、どのように扱われるか。小樽市民はさらなる借金地獄に苦しめられることになるのだろうか。
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