「ちまちま人形でたどる小樽」 博物館企画展


timatima-museum-bunko.jpg timatima-museum-hiroi.jpg

 小樽市総合博物館(手宮1)は、2月11日(木)から3月28日(日)まで、企画展「博物館meets文学館ーちまちま人形でたどる小樽ー」を開催している。
 今年1月に市立文学館(色内1)で好評を博した、札幌在住のイラストレーター・高山美香さんの手のひらサイズのミニチュア人形を、今度は博物館で展示し、小樽にかかわる人物史を紹介する。「文学館と博物館という二つの機関の視点の違いから、両館の特性をアピールしたい」。
 ミニチュア人形は、オーブン粘土で形作ってアクリル絵の具で色付けなどして完成させる。高山さん独特の人物の表情や立ちポーズが人気だ。ユニークなエピソードを盛り込んだオリジナルの人物紹介文も面白い。
 文学館では、1月31日まで、小樽出身の作家や小樽ゆかりの人物をはじめ、戦国武将、世界の偉人など96点を展示し、好評を博していた。関連記事
 博物館では、この企画展のために新たに製作依頼をした、北防波堤を設計した廣井勇と消防犬ぶん公の2体を含めた計50体の人形を展示し、小樽のあゆみをたどっている。市街地マップも用意し、その人物のゆかりの地も紹介している。
timatima-museum.jpg 新作の廣井勇は、腕を組んで、自ら設計した北防波堤に乗り、石狩湾を見渡している。紹介文には、「非の打ち所が無いパーフェクトな廣井勇先生ですが、実はたったひとつだけどうすることもできない悩みが・・・。それはなんとイビキ!!!渡米先のホテルで、このイビキに怒った隣のお客さんが、部屋のドアをガンガン靴で叩きまくった」という面白いエピソードを綴る。
 ぶん公は、当時の消防士の帽子をかぶり、舌をペロリと出した愛らしい表情が再現されている。「火災現場への出動回数1000回以上!!!しかし文公の賢さは実はこんなものではありません!!!なんと具合が悪くなった文公が、自分一人で色内にある動物病院まで行き、一人で入院してきたという話が残っておりました」と、消防犬の武勇伝を紹介している。
 このほか、榎本武揚や永倉新八、義経、弁慶、石川啄木、小林多喜二、伊藤整、ナンシー梅木などのちまちま人形が、紹介文とともに展示されている。ちまちま人形の背景には、その当時の写真なども並べられ、博物館ならではの切り口となっている。
 入館料:一般400円(冬期300円)、高校生・70歳以上の市内在住者200円(冬期150円)、中学生以下無料
 企画展「博物館meets文学館」