住民訴訟の第8回口頭弁論 次回までに「陳述書」提出 


 山田勝麿小樽市長が、選挙公約として推し進めていた市内築港地区での豪華市立病院建設計画で、基本設計を中断し、業務委託契約を解約して、 2,581万円を設計会社に支払ったのは違法・不当な公金支出であるとして、小樽市稲穂在住の一市民・松浦光紀(64)さんが、市に返還を求めている住民訴訟の損害賠償履行請求事件第8回口頭弁論が、1月14日(木)10:00から、札幌地方裁判所701号法廷で開かれた。
 この日、被告の市長側は、原告第3準備書面に対する反論の第5準備書面と証人尋問に立てる証人の申出書を提出した。証人には、吉川勝久・小樽市病院局経営管理部長を当て 「本件病院建設事業に関する起債許可の見込み等について」 を立証することにしている。
 これに対し、橋詰均裁判長は 「反対尋問の都合もあるから、証人の陳述書は提出しないのか」と問い、被告訴訟代理人の伊藤隆道弁護士は 「簡単な陳述書を出すつもりです」 と答えたところ、「簡略化するといっても、起債手続きの概要などは、紙一枚というそんなに短いものでないはずだが」と首を傾け、「今から1ヵ月以内の提出」を求めた。
 さらに、原告に対し、証人に予定している公認会計士の「証人申出書と陳述書は、いつ頃になるのか。次回に出せるのか」と問い、松浦氏は「すでに東京まで行って本人に会って、準備しており、今回被告側の陳述書が申出書と共に出されると思っていたので、それを見てから対応の予定だったが、被告の第4・第5準備書面に対する反論とともに、次回期日までに提出したい」とした。
 裁判長は、原告・被告とも、証人の陳述書を次回期日まで出し、その上で、証人尋問の期日指定を行うとした。次回の口頭弁論期日は、2月25日(木)14:00からと決まった。
 なお、本訴訟は、原告側は、訴訟代理人の弁護士を付けておらず、自費での、たった一人で行なっている本人訴訟となっている。
 小樽の一市民が、山田市長の公金支出の不当性を問う住民訴訟も、いよいよ具体的な証人尋問の期日指定の段階に入ったことで、今後の訴訟の推移がさらに注目されることとなった。
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