雪が覆う旧グランドホテル 真っ暗闇の年越し


grand1.jpg 小樽の中心商店街のランドマークだった旧小樽グランドホテル(稲穂1)が2月に閉館し、電気もつかない真っ暗闇のまま、雪を被ってひっそりと聳え立ち、このまま年越しを迎えることになる。
 市内は、今、ボーナス支給で忘年会シーズンとなっているが、これまでは市内企業や団体などの宴会が同ホテルで行われ、参加者たちが二次会などで花園の繁華街へ繰り出し、小樽の街も、年末の賑わいをそれなりに見せていた。
 しかし、同ホテルの閉館は、これまで市内のコンベンションセンターの役割がなくなり、結婚式も行われず、中心商店街での人の動きが急減した。このため、周辺の商店街も、閉店が相次ぎ、人影もまばらの寂しい年の瀬風景が広がっている。
 特徴のある三角屋根には雪が積もり、明かりもつかない”幽霊ビル”が小樽の街を一層暗くしている。
 2月のホテルの閉館時には、同ホテルの竹内恒之社長が、「雪が消える頃には明るい光が射すだろう」と話していた。関連記事
 しかし、雪が消えてもなんら動きはなく、今度は、「夏にはなんとかなるのではないか」との声が市内で囁かれていたが、この期待もすぐに消え、夏も過ぎた。秋からは「もうだめだ」と、周辺商店街から諦めた声がため息とともに漏れた。サンモール一番街にあった老舗書店も廃業し、大手紳士服販売店の移転などで、周辺商店街の空洞化が一気に進んだ。
grand2.jpg 山田勝麿小樽市長は、2007年の3期目の公約で、「旧丸井今井小樽店の再活用に積極的に取り組みます」と市民に約束していたが、この3年間、なんらの進展も見られない。(マニフェストはこちら)
 ホテルの閉館では、「民民の話なので、中々入っていきづらい。情報をたえず交換していますが、グランドホテルがなくなったのは、街全体に影響しているということがあり、早く解決してれればと思っている。小樽市がどうのこうのという問題ではないので、非常に難しい問題」(11/30定例記者会見)と、知らぬ顔の半兵衛を決め込んでいる。※知らぬ顔の半兵衛(なにもかも知っていながら、全然知らないふりをする人のこと)関連記事
 この市長の態度に、商店主は「そもそも、我々商店街が猛反対していたのに、市役所が自分たちでマイカルを誘致して、中心街をこんなひどい状態にした。民間同士とか言っているが、そんなことを言っていたらラチがあかない。行政がこの責任を取るような施策を取らないと、なんのための市役所か分からない」と憤っている。
 このまま中心商店街のデパートとホテルの巨大なビルは、真っ暗闇のまま、白い雪に覆われ、寂しく年を越すことになる。
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