2.5万立米の汚泥(ヘドロ)を除去 市の運河浄化工事


 小樽観光名所のNo.1の小樽運河にたまった汚泥(ヘドロ)を取り除く浄化(しゅんせつ)工事が、8月7日から来年2月10日まで、小樽市産業港湾部によって行われている。
 この運河浄化工事は、小樽運河の匂いが臭いと観光客などから苦情が度々寄せられたことで、2003(平成15)年から2009(平成21)年までの7ヵ年計画・総額5億3,000万円で、延長1,140mの運河にたまった汚泥を除去し、周辺の匂いを改善することを目的としている。
 小樽運河は、1923(大正12)年に完成した港湾施設。沖合いを埋立てて陸との間に水路を造る「埋立て式運河」となっている。扇型に湾曲しているのが特徴的。港内に停泊した大船から下ろした貨物を荷揚げするために重要な役割を果たした。
 最盛期には、「運河沿いには石造倉庫群が軒を連ね、船荷をさばく”はしけ”(小さい船) が往来した」(小樽市HP)。しかし、戦後になると、ふ頭岸壁の整備が行われ、港湾施設としての役割を終えた。詳細
 この後、幅40mあった運河の一部埋め立て工事が行われ、道道臨港線に沿った部分は半分の20mになった。北部分の「北運河」は、埋め立て前の40mのままで、かつての面影を残している。1982(昭和57)年から1987(昭和62)年までには、約12億円かけて、汚泥(ヘドロ)約5万立米を取り除く工事が行われた。
 市は、再び汚泥(ヘドロ)が運河にたまったため、前回工事から16年経った2003(平成15)年から浄化工事を始めた。毎年、観光客が少なくなる時期を見計らい、北運河から順番に行ってきた。
 最終年となった今年は、浅草橋から173m部分にたまった汚泥を、水中排砂ロボットで吸い、色内ふ頭に設置された装置に汲み上げた。12月3日(木)で汚泥の除去作業は終了し、現在、改良ピットで汚泥を固化している。この後、固めた汚泥を土砂処分場(潮見台3)に運ぶ。
 7ヵ年の工事で合計約25,000立米の汚泥を除去した市は、「今回の工事で、16年のスパンでたまった汚泥を取り除いた。どれくらいの匂いがなくなったかということは数字で表せないが、改善はされ、運河の環境を良好に保つことが出来る。今後も経過を見ながら必要に応じてやっていく」としている。