市が「地域経済活性化基金」で雇用対策


 小樽市・山田勝麿市長は、市議会第3回定例会での議決を経て設立した「地域経済活性化等推進資金基金」を使い、市内の厳しい経済状況に対応することを、10月28日(水)の市長定例会記者会見で明らかにした。
 「地域経済活性化等推進資金基金」は、雇用の維持及び創出を図るとともに、地域経済の活性化及び産業の振興を推進するための事業の資金とする目的で設立された。今年度の普通交付税で臨時的に措置された「地域雇用創出推進費」のうち2億6,100万円を積み立てている。
 市長は、「市内の企業は人口減少や少子高齢化、さらにはリーマンショック以降の消費低迷などの影響により厳しい経営を余儀なくされている。有効求人倍率は0.3倍で低迷している。資金基金を活用し、雇用対策などを行いたい」と述べた。
 このため、市は、10月28日(水)16:00~17:00、市役所市長応接室で、小樽商工会議所の鎌田力会頭をはじめ、山本秀明・森川正一・西條文雪の3副会頭、中松義治専務理事の5氏と意見交換会を開催した。
 商工会議所は、①農商工連携や地域資源活用による新事業、新産業の育成を促進し、雇用の創出、拡大を図る。②公共施設の維持・補修等、公共事業の拡大を図り雇用を創出する。③雇用の安定のため、冬期間における雇用機会の拡大を図るとともに、季節労働者を通年雇用した企業に対する助成制度を創設する。⑤パソコン講習会や専門的分野のスキルアップを目指す講習会を開催するなど、人材育成機会を創出する。⑥商店街等が実施するイベントの支援等、商業振興推進による経済の活性化を図る。⑦2011年の地上デジタル放送開始に向けて、テレビの買い替え等の費用に対して、地元企業で購入した場合に限り、雇用の一部を負担する助成制度を創設するなどの7項目を提案した。
 これを受けた市長は、「小樽のブランドを活かした商品創出はこれから意見を聞いて詰めていく。公共事業は、今年度かなりの事業をやってきたので、20年度の決算を見てから決めたい。新規高卒者の新規採用は、市でも枠を5割増しぐらいにして良い人材を確保したいと思っている」などと答えた。
 この後、商工会議所副会頭から、「スキルアップ講習会の開催だが、街全体のための人材育成が必要だ」(西條副会頭)。「企業は苦しいから人を採らないという流れになっているが、学生が社会に出て仕事がないということになると可哀相過ぎる。だから若い人が小樽にいなくなる」(森川副会頭)。「市民からも積極的に意見を聞いた方が良い」(山本副会頭)などの意見が出された。
 市は、今後、11月10日(火)まで、市内の金融機関支店長と意見交換を行い、今年度と来年度に予算を計上したいとしている。第1弾として、12月の小樽市議会第4回定例会には補正予算の提出を検討している。
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