スッカラカンの市の”普通預金” 借金まみれの一般会計


 10月13日(火)から開かれた市議会決算特別委員会(久末恵子委員長)で、市の財政部は、「市の一般会計は、一般家庭で言うところの普通預金(財政調整基金・減債基金)がすっかり無くなった」と企業会計や基金からの借入れで辻褄を合わせをしている詳細を明らかにした。
 山田勝麿市長は、市議会第3回定例会(9月議会)で、「平成20年度各会計決算は、一般会計は、歳入総額546億2,388万2,797円に対し、歳出総額は552億7,410万1,385円となり、翌年度に繰り越すべき財源を除いた実質収支は6億3,711万1,720円、実質単年度収支は6億3,776万646円、それぞれ黒字」と述べたが、この単年度黒字6億3,776万646円は、企業会計や基金からの借り入れがあってこそ実現出来たと説明していた。
 13日(火)から16日(金)まで開かれる決算特別委の初日に、中島麗子委員(共産党)の質問に対し、財政部は、「平成16年度で、一般家庭で言う普通預金がすっかり無くなってしまった。市の財政対策として、他会計や基金から借りるのは止むを得ない」と答えた。
 市が他会計や基金などから借りている額は、20年度末で計36億9,500万円にも上る。この内訳は、水道事業会計3億円、下水道事業会計7億1,000万円、産業廃棄物等処分事業会計5億9,000万円、土地開発基金5億1,000万円、市営住宅敷金基金5,000万円、特定目的資金基金15億3,500万円となっている。
 中でも、特定の目的のために積み立てられている基金からの借入れは、32基金の15億3,500万円にも達している。奨学資金基金や、青少年育成資金基金、ボランティア活動資金基金、プール建設資金基金、市立病院新築資金基金など、市民からの寄付で積み立てられた基金にも手を出している。(特定目的基金借入金残高調)
 他の会計からの借入額も10億円を超えている。下水道事業会計にいたっては、一般会計への貸出率が93,7%にも及んでいる。市は、今後も、「上下水道事業から、21年度9億円、22年度8億円、23年度6億円、24年度7億円の借入れを見込んでいる」としている。
 市財政部は、「条例に基づいて、基金の運用に支障がないように借りている。寄付による基金では、本人や家族にも了承を得ている。この財政事情では止むを得ない」としている。人口10万人都市の江別市では、この普通預金(財政調整基金・減債基金)が20億円を超えており、預金ゼロの小樽市の貧乏都市ぶりが露呈している。
 21年度決算で、単年度で6億3,776万646円の黒字が出て、累積赤字が6億5,948万円に圧縮したとしているが、これは、子供や家族の貴重な預金を巻き上げた上で辻褄を合わせているだけで、市の一般会計のお粗末ぶりが伺える数字となっている。