旧丸井今井ビルの再利用 先の見えぬ「足踏み状態」


 8月も残すところ1週間を切り、夏から秋へと移り変 わろうとしているが 、市内稲穂の中心商店街サンモール一番街にある大ショッピングビルの再利用計画は、 先の見えぬ 「足踏み状態」のまま、秋を迎えようとしている。
 市街地再開発事業として、1990(平成2)年に、丸井今井主導で約130億円かけて造られた同ビルは約43,600平米。2005(平成17)年に丸井今井小樽店が撤退し、今年に入って、同所で暫定営業していたサンモール・ネオと小樽グランドホテルが閉店・閉館した。このため、市内中心部の大ショピングビルは、人っ子一人いない、真っ暗闇の巨大幽霊ビル化した。
 この間、市内経済は衰退の一途を辿っている 。経済産業省の商業統計による市内中心街年間販売額は、1997(平成9)年の866億円から、2002(平成14)年644億円、2004(平成16)年575億円、2007(平成19)年475億円 と減少している。
 小樽グランドホテルとサンモール・ネオの閉館・閉店は、ビルを所有・運営する「小樽開発株式会社」(西森治美社長)が、東京の大手デベロッパーとの交渉を進めるためでもあった。ホテル閉館時には、「雪解けまでには、なんとか新しい光が射すと思う」(竹内恒之社長)とされていた。
 しかし、同再開発ビルの一部の地権者と交渉が折り合わず、雪 が解けて春になっても新しい光が射さず、夏も終わりに近づいている。 市の関係者は、「交渉は足踏み状態。もう夏が過ぎ去って9月になってしまう。お尻に火が‥」と頭を抱える。
 3期目の任期もわずか1年半となった山田勝麿市長は、2007年の選挙マニフェストで、地域経済と中心市街地の活性化で「旧丸井今井小樽店の再活用に積極的に取り組みます」と掲げたが、「今交渉を続けていると聞いているので、それを見守りたい」と、積極的どころか、一歩下がったままの尻込み状態だ。
 中心市街地は活性化どころか、どんどん衰退しており、市内商店主たちは、「市内経済は悪くなるばかり」、「もう限界だ」、「漏らすため息もない」と嘆いている。