ソメイヨシノ満開せず 今年も小樽の桜に”異変”


札幌管区気象台は、5月1日(金)、ソメイヨシノの開花宣言を出したが、ゴールデンウィーク期間の暖かさで桜の開花が一気に進み、4日(月)には満開宣言を出した。ゴールデンウィーク中に満開となるのは、2003(平成15)年の6年ぶりという。
しかし、小樽の桜の名所にあるソメイヨシノは、今年も花の付かない”異変”に見舞われ、お花見気分を吹き飛ばす寂しい花付きに、多くの市民が驚いている。
市内の桜の名所の手宮公園・手宮緑化植物園、平磯公園、小樽公園、宏楽園、浄応寺、天上寺、花園橋、南小樽駅、水天宮など、ソメイヨシノが植えられている場所はほとんどすべて花付きが悪く、5月4日(月)現在、2分咲き程度のまま満開時を迎え、すでに緑の葉に変わり始めている。
ソメイヨシノは、気象庁が開花の標本木として採用している。江戸末期に、エドヒガンとオオシマザクラの交配で人工的に作り出された。いわば、同じ遺伝子のクローンを持っている人為的に増殖させた栄養生殖体だ。葉が出る前に花が開き満開となる。満開になると、白色の5弁の花が香り立つように咲き誇り、日本の代表的な桜風景を演出する。

市内では、小樽警察署や市総合福祉センターのソメイヨシノをはじめ、各公園や寺社などにある木も満開になる前に葉が出始めており、スカスカの状態の中、枝先にわずかな花が咲いているだけの寂しい光景が広がっている。
ソメイヨシノが満開とならないまま葉桜に変わる”異変”は、2004(平成16)年と2005(平成17)年に連続して発生し、2007(平成19)年もこの”異変”に見舞われていた。
この”異変”のため、ゴールデンウィーク中にも関わらず市内の桜名所にはいつものような花見客による宴会のシーンも見られず、見物に来た市民は、「これから咲くのか」、「これで満開なのか」、「こんなのでは花見は出来ない」、「市内で満開になっているのはエゾヤマザクラだけで、ソメイヨシノの満開は今年も駄目だな」と、嘆くばかりだ。
小樽市内各所のソメイヨシノが”異変”に見舞われているのは、関係者でも原因を特定出来ず、首をかしげるばかりとなっている。桜は、病気や虫の害を受けやすい体質があり、大気汚染などの環境悪化にも弱いとされる。
植えられてから50~60年経った老齢期に入っていることや、キノコなどの病害菌に侵されやすい、地球温暖化の影響ではないかなどの論議がネット上でも繰り広げられているが、この”異変”の原因は特定されていない。
小樽では、この6年で4回も”異変”に見舞われており、2006(平成18)年と2008(平成20)年にしか満開の桜を見られなかった。年々、市内のソメイヨシノの樹勢の低下が明らかとなっている。
地球温暖化で、小樽の街では、満開の桜の木の下での花見を諦めなければならない日が来るかもしれない。
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