旧小樽地方貯金局が模型で復活 職能大生が製作


mokei.jpg 市立文学館や美術館などが入居する小樽市分庁舎(色内1)は、旧小樽地方貯金局だったが、その当時の姿が、職能大生の手で100分の1の模型となって復活した。
 模型を制作したのは、北海道職業能力開発大学校(銭函3)3年生の坪田丈嗣(20)と大岡慎一郎(20)さんの2人。2年時の研究として、約9ヶ月かけて、創建時の青焼き図面を調査・再現し、これに基づいて模型を制作した。
 旧小樽地方貯金局は、1952(昭和27)年に建設された。日本の近代公共建築を牽引してきた郵政建築の第一人者・小坂秀雄が手がけた戦後小樽の最初の鉄筋コンクリート造の建物。地上3階・地下1階。この後、各地の郵政建築・公共建築の基本となったといわれている。
 図面は、一部が欠損しており、「寸法が分からなかったり、大変だった」という。しかし、詳細な調査の末、一からの引き直しを行い、専用の発砲スチロール材で模型を作るに至った。
 地下1階から地上3階までのすべての間取りを緻密に作り上げ、フロアごとの内部を見ることが出来るようにと取り外しも可能にした。「取り外すために階段の設置方法を工夫したが、そこが一番大変だった」という。完成した100分の1模型は、縦70cm・横32cm・高さ31cm。
 同建物内にある市立小樽文学館では、4月25日(土)から始まる企画展「トポス(場)の思想と想像建築家・小坂秀雄と小樽文学館」で、学生が作った13枚の図面と模型を展示することにしている。
 小樽文学館HP