首の皮一枚でつながった市立病院の破綻 一般会計を圧迫 (2008/12/21)

 小樽市(山田勝麿市長)が、市立病院改革プランをつくり総務省に申請していた特例債の18億8,000万円が認められる方向になったことが本社の調べで分かったっことで、経営悪化で懸念されていた市立病院の崩壊が、辛うじて首の皮一枚でつながった格好となった。


 しかし、特例債は、あくまで借金の借り換えによるもので、7年間での返済が決められている。


 このため、病院会計が抱える不良債務の一時的減額には、一定の効果が見込まれるものの、市の財政状態全体では、さらなる悪化が予想される。


 特例債は、不良債務を一時的に先延ばしにするだけにしか過ぎない借金だ。100年に一度の金融危機により、押し寄せている経済不況で、全国の公立病院がバタバタと枕を並べて討ち死にする状況を避けなければならないという、国の事情が後押しをした。


 国は、9月末で休院した銚子市立総合病院や09年3月末で閉院する大阪府の松原市立病院など、公立病院の経営が次々に破綻し、行き詰まりを見せており、少しでも先延ばしする時間稼ぎの延命策を講じた格好となっている。


 小樽市では、早期健全化団体に転落すると見られていた連結実質赤字比率が、基準の16.72%を0.6%(約1億9,000万円)下回る16.12%のすれすれだった。


 これまで、「親にかじるすねはない」としていた一般会計は、7年間の繰り出しで、この特例債も返済を迫られることになる。


 子供(病院会計)が借りまくった借金の不良債務を、さらに特例債による借金で賄い、怖い借金取りからは一時的に免れたが、その分、今度は、親(一般会計)が、7年間にわたって、子供の借金を返済することになった。


 親(一般会計)自体は、4年間の繰上げ充用による累積赤字を抱えて破綻しており、これ以上借金返済の財源を見つけることは困難だ。早期健全化基準 16.72%を0.6%(約1億9,000万円)下回っているが、経済不況の波を受け、交付税や市税の減収が見込まれており、新たな財源を生み出すことも難しい状況だ。


 市の改革プランによると、親(一般会計)は子への過去の不良債務繰り出し金として、特例債の返還分も含め、 2006(平成18)年度12.40億円、2007(平成19)年度16.3億円、2008(平成20)年度17.5億円、2009(平成21)年度 20.72億円、2010(平成22)年度19.80億円、2011(平成23)年度13.13億円、2012(平成24)年度12.51億円、 2013(平成25)年度12.51億円の計約125億円もの巨額を一般会計から投じることになる。

過去の不良債務解消に係わる繰り出し金合計(単位:百万円)
 
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
小樽病院
671
929
1,025
1,324
1,546
893
775
761
第二病院
569
701
726
748
434
420
476
490
合計
1,240
1,630
1,751
2,072
1,980
1,313
1,251
1,251



 出来の悪い放蕩息子に、8年間で125億円もの巨額を与えるバカな親は、世間広しと言えども、小樽市だけだ。放蕩息子にせびるだけせびられ、親の身代(資産)を食いつくし、親と子が共倒れになる可能性が一層高まることになった。


 病院事業会計は、患者の急減を認めないデタラメな試算で、取らぬ狸の皮算用予算となっており、2008(平成20)年度当初予算よりも、12億円もの巨額マイナスが発生している。


 市の改革プランでは、2008(平成20)年度の医業収益を、2007(平成19)年度の実績の86億円から81億円へと下方修正している。しかし、2009(平成21)年度から2013(平成25)年度の5年間では、それよりも毎年約4億円をプラスと弾いている。


 しかし、病院事業は、患者や医者の逃げ出しで、さらに急激に収支を悪化させており、大幅な抜本的な改革を成し遂げなければ、生き残ることは困難となる。市は、この悪化する病院事業を、2009(平成21)年度4月から、地方公営企業法の全部適用(全適)をすることを決め、病院事業管理者に内定した札幌医科大学医学部麻酔学講座の並木昭義教授に丸投げすることにしている。


 病院開設者の山田勝麿小樽市長は、全適の導入で、事業管理者に予算や人事権を与えて、事業管理者に処理を丸投げし、後は"知らぬ顔の半兵衛"を決め込んでいる。


 4月からは、この破綻状態にある市立病院改革の火中の栗を拾うことになった並木氏の手腕が問われるところとなるが、並木氏がどこまで小樽の実態を把握した上で承諾したのか、疑問が残るところとなっている。


 相次いで患者・医師・看護師の逃げ出しが続いており、鈴木隆小樽病院長は、18日(木)の病院特別委員会で、「内科は、北大の第二内科に要請し、地方の医師を回すと言われたが断られた」としている。この医師不足の中で、老朽化して破綻状態の病院に新たな医師を集めるのは非常に困難と認めている。


 特例債という借金で、辛うじて延命した市立病院は、親の一般会計頼りだが、親は子の負担に耐えられるか。2009(平成21)年度の予算編成が注目されることになる。


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