地獄を見るのは小樽市か松原市か?公立病院の存続と廃止


 公立病院の改革で、特例債頼りで延命を模索する小樽市(山田勝麿市長、人口13万6,870人)に対し、大阪府松原市(中野孝則市長、人口・13万 3,000人)は、特例債の申請などはせず、一挙に閉院する決断をし、市議会の同意を取り付け、2009(平成21)年3月での廃院を決めた。
 人口もほぼ同じ2市の市立病院に対する対応は、見事に両極端に割れた。両市とも、市立病院の老朽化と医師不足で、病院会計は、不良債務を抱え、破綻状態になっている。市立病院を建て直し、新病院建設を目指していたのも同じだ。
 松原市は、「今以上の病院の財政支援は、困難であること、今後の病院運営は早急な建替えが不可欠だが、極めて厳しい財政状況の中で、到底許される状況にない。多額の不良債務を抱える病院を、極めて厳しい市の財政状況から、到底病院の建て替えが出来る状況にありません」と、約100億円に上る新病院建設を止め、現病院を閉院するという選択をしたばかりだ。
 公立病院の存廃を巡っては、今年9月末に銚子市立総合病院が、休院に追い込まれた。その後、存廃を巡り、市長リコール運動が行われており、11月には、再開の方針を決めるなど、大揺れに揺れている。
 2009(平成21)年3月31日の閉院を決めた松原市と市議会は、さらに厳しい選択をしたことになる。破綻状態の病院を閉鎖し、病院会計へ一般からの財政支援をこれ以上しないという選択で、市財政を守ろうとしている。
 一方、小樽市は、特例債に頼り、延命策を講じ、2006(平成18)年度から2013(平成25)年度までの8年間で125億円もの財政支援を行うことにしている。山田市長は、新病院建設の公約違反も知らぬ存ぜぬの状況で、あとは野となれ山となれの無責任な対応に終始している。
 松原市の中野市長は、11月28日に、病院閉院のお知らせを出し、12月17日の市議会で、自民・公明・民主の賛成で閉院を決めた。公立病院が自らの手で閉院するのは、全国的にも珍しく、市と市議会の歩調を合わせた大胆な方針転換が図られた。
 閉院を決めた松原市と小樽市の財政状況は、極めて酷似しており、病院事業会計の資金不足比率は、松原市の35.2%に対し、小樽市は41.7% と経営健全化基準の20%を大きく超えている。
 松原市と小樽市の財政比率は、以下の通り。

小樽市 早期健全化基準 松原市 早期健全化基準
実質赤字比率
4.06%
11.72%
連結実質赤字比率
16.12%
16.72%
4.95%
17.20%
実質公債費比率
16.40%
25.00%
7.6%
25.00%
将来負担比率
149.80%
350.00%
129.3%
350.00%
資金不足比率
41.70%
20.00%
35.2%
20.00%

 破綻した市立病院を抱え、これ以上の財政支援を出来ないと閉院を決めた松原市と、これからさらに約100億円もの財政支援をする小樽市との違いが、際立っている。
 急激に悪化する状況に対応するに、いち早く閉院を決め、これ以上の財政支援をしないと決めた松原市と松原市議会に対し、一時しのぎの延命を図る小樽市と小樽市議会。
 奈落の底の地獄を見るのは、どちらの市か。
  関連記事1 関連記事2
 広報まつばら臨時号平成20年(2008年)12月
  市立松原病院 閉 院の お 知 ら せ
 市立松原病院:「市長やめろ」怒号 来年3月閉院、議会の賛成多数で可決 (毎日 jp)
 銚子市立総合病院 病院休止のおしらせ< /FONT>
 第3回銚子市病院事業あり方検討委員会会議録& lt;/FONT>
 銚子市病院事業あり方検討委員会報告書< /FONT>
 銚子市立病院の指定管理者を募集します< /FONT>