中1・高3は麻疹ワクチン接種を 小樽市保健所


 小樽市保健所(富岡1)は、現在の中学1年生と高校3年生に対し、「麻疹(はしか)ワクチンの接種率が伸び悩んでいます」と、ワクチンの予防接種を呼びかけている。
 同所によると、昨年以降、全国的に麻疹の患者が多発し、特に20歳前後の若年層に発病が多く見られた。市内でも、今年3月から若者に麻疹の発生が目立ち始め、4月下旬には高校で集団発生があった。
 これまでワクチンの定期予防接種の対象者は、1歳(1期)と小学校就学前の1年間にあたる子供(2期)だけだった。国は、麻疹患者の多発を受けて、免疫効果の強化を目的に予防接種の機会を拡大することにした。今年4月から5年間、中学1年生(3期)・高校3年生(4期)を対象に無料で予防接種する制度を設けた。
 しかし、市内の接種率は、制度開始から3ヶ月間で約50%にとどまり、10月末でも、中学1・56.8%、高校3・61.3%と伸び悩んでいる。
 市保健所は、「この制度は、2013(平成25)年3月31日で終了するため、現在の中学1年・高校3年生が、今年度の接種機会を逃すと、無料で受けることが出来なくなる。来年度も無料で受けられると思っている人がいるかもしれないが、あくまでも対象は、中学1年・高校3年生だけ」としている。
 この機会を逃すと、ワクチン接種は全額自己負担となり、麻疹と風疹の混合ワクチンの場合で9,000円程度かかることになる。
 同所では、「麻疹の流行は多くの方が予防接種を受けない限り抑えることが難しい感染症です。麻疹に感染すると肺炎や脳炎を併発することがあり、1,000人に1人程度の割合で命を落とすことがあるほか、10年ほどしてから重い脳炎が10万人に1人の割合で発生することが知られている。麻疹の予防は、ワクチンが唯一の手段です」と接種を呼びかけている。
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