市立病院事業管理者に並木昭義・札医大教授


namiki.jpg 小樽市は、29日(水)11:00から市長記者会見を開き、2009(平成21)年度から市の病院事業に地方公営企業法の全部適用を行い、その事業管理者に、札幌医科大学医学部麻酔学講座教授の並木昭義氏(64)を選定したと発表した。
 並木氏は、平成14年からの2年間、同大学医学部附属病院の院長を務め、病院経営の実績がある。北海道総合保健医療協議会の副会長も務め、地域医療にも造詣が深いという。また、昭和51年から2年間、市立小樽病院の初代麻酔科医長として勤務した経験がある。来年3月で退官し、4月1日から事業管理者になる予定。任期は4年。
 山田勝麿市長は、「これまで鋭意その人選を行い、その実績、経歴などから適任と考えます方と交渉を進め、この度就任のご承諾をいただくことができた」と明らかにした。
 今後、第4回定例会(12月市議会)に、病院事業に地方公営企業法を全部適用するための関連条例を提案し、議決後、並木氏を事業管理者として内定、平成21年4月1日付けで任命することにしている。地方公営企業法 
 病院事業管理者は、小樽病院と第二病院の2院長と職員を統括し、予算の調整、議案の提出、決算認定、職員の人事権などを持ち、現行の市長に代わり、病院事業の全責任を負うことになる。
 小樽市は、数年前まで病院事業の経営形態の変更などには関心を寄せていなかったが、総務省のガイドラインで、あわてて地公法の全適を決めた。市の病院事業は、44億円の累積赤字隠しや約74億万円の累積欠損金を抱え、火だるまの状態だ。これに、医師の退職が続き、産科、脳外科、神経科、呼吸器内科、結核病棟などが休止に追い込まれている。
 病院崩壊寸前のこの時期に全適を採用し、事業管理者に責任を丸投げする方法を取るのは、役人市長特有の責任回避策ではないかとの指摘もある。総務省は、全適より独立行政法人化がベストとしている。市は、当然もっと早くから対応すべき問題であった。
 市長に代わって瀕死の病院事業を丸投げされる新事業管理者は、まさに、小樽の火中の栗を拾うことになる。
 関連記事