陸海空の28機関285名集結 市総合防災訓練 

sogokunren.jpg 色内ふ頭に消防車や救急車両のサイレンが響き渡った。9月1日(月)は『防災の日』。13:00~15:00、陸・海・空の全28機関285名が参加した小樽市最大の総合防災訓練が行われた。



 「大規模災害に対する各関係機関相互の協力体制の強化と防災技術の向上及び市民の防災意識の高揚と防災知識の普及を図る」ことを目的に、毎年実施されている。
 普段は静かな色内ふ頭に、空にヘリコプター1機、海に船艇6隻、陸に消防車両など36台が次々に集結。色内ふ頭のこの慌ただしい訓練の様子を、向かいの第3号ふ頭に停泊する豪華客船「ぱしふぃっくびいなす」が、見守っていた。
 「平成20年9月1日、午後1時10分ころ、北海道後志沖を震源とするマグニチュード7.0の地震が発生した。気象庁の発表では、北海道と東北の全域で地震を感じた。このうち小樽は震度6強と発表された。この地震の発生により、小樽市沿岸地域(北海道日本海沿岸北部)に午後1時12分「津波警報」が発表された。高いところで2m以上の津波が予想され、陸上においては、市内各地区で木造家屋が倒壊し、数件の火災も発生している模様である。各地で道路の損壊、亀裂が発生したほか、崖崩れによる土砂の流出などにより市内の交通網が寸断された。また、ガス管、水道管、電話線、配電線などのライフラインにも重大な被害が発生した」との想定で、各機関が訓練に取り組んだ。
 小樽市水道局や北電、NTT、北ガスなどは、断線などの被害が発生した水道管・ガス管・電話線・配電線のライフライン確保のため、直ちに現場に急行。応急給水やガス漏洩などに処置を行った。
 タンカー送油管から流出した油の防除訓練では、排出油防除協議会などが、約80mもあるオイルフェンスを岸壁から海面に出し、流出した油を囲んで吸着マットで回収。海面に広がった残りの油は、港湾部の台船や小樽海保の船艇による放水で飛散させて対応した。
 「座屈ビル救出救護訓練」では、警察・消防・保健所・市建設・日赤・手稲渓仁会などが連携。警察と消防が、地震で崩れたビルに閉じ込められた負傷者を検索して救出。負傷者が建物から運び出されると、今度は、保健所や日赤職員らが、応急手当てにあたった。
 訓練初参加となる手稲渓仁会は、色内ふ頭公園グラウンドにドクターヘリを要請、負傷者を運び出した。旋回するプロペラの風が周囲に強く吹きつける中、各関係機関の参加者たちは、初参加のドクターヘリに注目、一連の作業を見届けていた。
 船舶火災救助訓練では、防火衣を着用した小樽海保と消防本部・消防団などがマスクを被り、逃げ遅れた乗組員の救出にあたった。煙が漂う船艇内で、態勢を低くしながら「どこにいますか」、「いたら返事して下さい」と捜索。救出後は、新たに消防車両が現場に駆けつけて、8本のホースで一斉に放水、延焼拡大した火災を消火し、総合訓練を終えた。