「市議会だより」が著作権法違反!本社写真を”盗用”


 小樽市議会(見楚谷登志議長)が、5月1日に発行し、市内各世帯に配布した「おたる市議会だより 第31号」のトップページの半分を占める掲載写真は、本社の「写真の著作物」を”盗用”したものであることが分かった。
 小樽市議会は、掲載写真を著作権法の利用許諾を得ぬまま無断転用した。カラー写真をモノクロ写真に変形・改変した上、印刷・複製し、市内世帯に広く頒布した。さらに、市役所ホームページ上でも、カラー写真をPDFファイルで「自動送信」するという二重の著作権法違反を侵している。
 小樽市を代表する公的機関の市議会・市役所が、前代未聞の著作権法違反を重ねていることが本社の調べで判明した。
 「おたる市議会だより」は、年4回の定例会に合わせ、小樽市議会広報委員会が編集し、小樽市議会が発行している。5月1日発行の第31号は、5万2,800部発行し、新聞折込などで市民に配布した。
 5月1日発行の第31号は、トップページに、5月に合わせてか、勝納川の鯉のぼり写真を掲載した。この写真を詳細に検討した結果、小樽ジャーナルが、2006(平成18)年4月16日付でアップした「勝納川を泳ぐ300匹の鯉!」の記事に添付した6枚のうちの1枚であることが分かった。
 市議会だよりトップページの単色写真と市役所ホームページ掲載のPDFファイルのカラー写真は、本社の写真と全く同一のものであり、ネット上から盗用したことが一目瞭然となった。 関連記事 
 著作権法では、小説・音楽・絵画などと同じく、写真は「写真の著作物」として、保護の対象となっている。今回、市議会だよりは、この著作権法に違反し、広く市民に配布するとともに、ネット上で全世界に向け公開を続けている。
 著作権法では、写真を加工(トリミング)し、変形・改変すれば、著作者人格権の「同一性保持権」も侵していることになる。印刷・複製し、頒布することは、「複製権」の侵害となる。また、サーバーにコピーが作成され、ホームページ上で公衆送信した場合は、「公衆送信権」の侵害とされる。また、肖像権の侵害や、氏名表示権の侵害などにも及んでいる。著作物をインターネット配信(自動公衆送信)する行為は、著作権違反と規定されている。
 市役所が、本社の著作権を侵害するのは、2003(平成15)年10月に、観光振興室がインターネットのサイト及びチラシで、小樽ジャーナルのサイトから、写真を無断転用し、「小樽マニア大集合」にアップし、さらに、チラシにも同じ写真を重複転用して以来、今度で2回目となった。 関連記事
 今回は、変形・改変し、印刷・複製し、市内各世帯に配布するとともに、PDFファイルでアップするなど、極めて悪質な著作権侵害となっている。著作権法では、著作権を侵害したものに対して、「5年以下の懲役、若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」 との罰則規定がある。
 小樽市を代表する公的機関が、知的財産権を侵害したことは、市議会・市役所の文化度の低さを、改めて露呈したことになった。さらに、2年前の写真を、堂々と今年の写真のように掲載したのは、読者市民に対する背信行為となっている。
 おたる市議会だより