与党議員ダンマリ“繰上充用”を承認 100分だけの「臨時会」  (2008/05/22)

rinjikai.jpg 2007(平成19)年度の赤字額を2008(平成20)年度の予算から繰上充用する議案を審議する小樽市議会の1日だけの「第1回臨時会」が、5月22日(木)に開かれた。

与党議員は、誰一人として質疑に立たず、わずかに野党(共産党)議員のみの質疑の100分間審議で、市長提案のまま、繰上充用をすんなりと可決・承認した。


 4年連続で赤字決算となっている一般会計などの市財政の危機的状況を審議する臨時会は、22日(木)午後1時から開会され、休憩を挟み、審議時間はわずか100分間で、市が濫用する繰上充用を認めた。


 13:00からの本会議では、平成20年度小樽市一般会計、国民健康保険事業特別会計、老人保健事業特別会計補正予算など4議案・2専決処分報告が提案された。


 市長は、「平成20年度一般会計補正予算につきましては、平成19年度一般会計の決算見込額を試算した結果、歳入総額約540億4,900万円に対し、歳出総額約554億2,800万円となり、差引き約13億7,900万円の収支不足を生じる見込みでありますので、平成20年度の諸収入を財源として繰上充用による措置を行うための所要の予算を計上いたしました。財政健全化法に基づく健全化比率についてもなんとしてもクリアするよう、引き続き、歳入の確保と歳出の削減、事務事業の見直しに取り組んでまいりたい」 と提案説明した。(市長提案説明はこちら)


 この市長提案説明に対し、野党の菊地葉子議員(共産党)が、「18年度決算額の赤字11億8,400万円に加えて、1億9,500万円赤字が増えた要因について説明して下さい。単年度収支で赤字になったが、多額の不用額がでて18年度決算の赤字を圧縮できると期待しての19年度の財政運営ではなかったのか。


 病院会計で医業収益などが計画どおり進まず、不良債務解消の病院負担分が確保できなかった場合、そのたびに一般会計からその不足分を持ち出すのか。病院会計の現状を見る限り、20年度以降の病院負担分が確保できないとなれば、一般会計からさらなる不足分を持ち出さない限り、不良債務解消計画が達成できず、新病院の起債はおろか、現病院の起債も認められないと言うことになるのでは。医療機器更新の起債が認められなければ、躍起になっている現病院の収益もむしろ確保できなくなり、現病院の経営にも重大な障害になるのでは。


 健全化法では早期健全化団体となった場合、どんな内容の健全化計画を策定しなければならないのか」 と質問。


 山田市長は、「歳入において、当初予算と比較して、普通交付税が3億3,500万円の減額となったことに加え、市税において、景気の低迷等により法人市民税が約1億3,600万円、固定資産税、都市計画税合わせて約4億8,900万円減となるなど、市税全体で約7億1,800万円の減収になると見込んでいる。歳出では、執行経費の節減により、一定程度の不用額が見込まれるものの、2月の連続した降雪に伴い、除排雪経費に追加を要したことや、燃料単価の高騰による経費の増加などの影響もあり、現時点では、これらの収支差引により1億9,500万円ほど、累積赤字が増えるものと見込んでいる。


 一般会計においては、毎年度、最終予算額に対し2%から3%程度の不用額が発生しております。これは先ほども申し上げましたが、生活保護費などの扶助費や中小企業等への貸付金などの支出が、年度末までその見込みを把握することが難しいことなどになるよものであり、不用額を期待して財政運営を行ったということではない。


 病院事業の不用債務解消にかかる一般会計の負担ですが、見直し後の計画において、平成19年度末不良債務は約39億6,000万円であったが、決算見込みでは約37億9,000万円となり、不良債務を圧縮し目標を達成できた。平成20年度以降も市立病院を取り巻く状況は大変厳しいものでがあるが、一般会計においても、病院事業会計への繰り入れをこれ以上増加させていくことは大変困難な状況であり、現在進めております市立病院改革プランを策定していく中で、病院経営の一層の効率化に取り組むとともに、市立病院の役割と一般会計負担のあり方についても整理したい。


 財政健全化法に基づく健全化計画の内容でありますが、比率が基準以上となった要因分析、計画期間、早期健全化の基本方針、実質赤字額がある場合には歳入と歳出との均衡を実質的に回復するための方策、連結赤字比率、実質公債費比率又は将来負担比率が基準以上である場合に、それぞれの比率を基準未満とする方策などを示すこととなっている」 と答弁した。


 この後、中島麗子議員(共産党)から、「平成18から24年度までの7年間で、累積赤字の解消を図るとしていたが、平成19年度末で1億9,500万円増額した。早期健全化基準の連結赤字比率を超えており、深刻な状況。地方交付税の削減や歳入確保が困難な中、真剣な論議をするべき」 と、予算特別委員会の設置を求める動議が出された。同党の新谷とし議員は、「13億7,900万円の繰上充用となり、対策を審議する必要がある」 と賛成を求めた。しかし、無記名投票の結果、賛成5・反対22の賛成少数で否決され、14:20、本会議は一時休憩となった。


 14:20から2時間40分の休憩後、ようやく17:00に再開した本会議では、約20分間、市長提案議案に対する共産党の反対討論が行われた。与党は、賛成討論を回避した。


 北野義紀議員は、「繰上充用の臨時会に当たって強く指摘しなければならないのは、3年連続の繰上充用、しかも13億7,900万円の多額にもかかわらず、予算特別委員会を設置せず、詳しい審議をしなかった問題です。財政危機という小樽市の重要問題で、他党の皆さんは本会議での質疑もしない、それどころか予算特別委員会を設置して審議しようという、わが党の要求をも拒否し、詳しい質問もさせなかったことは、議会制民主主義をふみにじるもので許されるものではありません」 と、繰上充用を濫用する小樽市の補正予算に対し、与党議員が誰一人質問しないことを強く批判した。


rinjikai2.jpg 採決では、平成20年度小樽市一般会計補正予算・国民健康保険事業特別会計補正予算・平成19年度小樽市一般会計補正予算(専決処分報告1)が、共産党を除く、自民・公明・民主市民・平成の4会派の賛成多数で可決・承認。老人保健事業特別会計補正予算・損害賠償額の決定について・小樽市税条例の一部を改正する条例(専決処分報告2)は、全会派一致で可決・承認となった。


 臨時会では、一般会計13億7,900万円、国民健康保険事業特別会計16億800万円、老人保健事業特別会計1億7,339万円の計31億6,039万円の巨額赤字の繰上充用を濫用する補正予算が提案されていたにもかかわらず、共産党を除き、誰一人として質疑する議員がおらず、改めて、市議会の役割である市政のチェック機能が、全く働いていないことが浮き彫りとなった。財政破綻している市財政が議題に上がっているのに、何の質疑もせず、黙々と市長提案に右へ習えのイエスマンばかりの市議会では、小樽市の沈没崩壊が、一層早まるだけの様相になっている。


 4年連続の累積赤字で財政破綻し、早期健全化団体に抵触している市財政の危機を論議する1日だけの本会議は、午後から開会し、わずか100分間しか審議しないというお粗末さで、改めて小樽市議会と議員の存在理由が問われなければならない臨時会となった。


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