水流増す“幻の手宮滝”にフキノトウの芽生え 


 3月も中旬となり、市内各地も本格的な春に向かって始動している。雪解け時期にだけ現れ、周辺に春の到来を告げている“幻の手宮滝”では、日一日と水流が増し、見事な滝となっている。この滝が流れる斜面には、早くも春の使者・山菜のフキノトウが芽生え、次々に顔をのぞかせている。
 市内手宮から祝津に抜ける道道小樽海岸公園線の手宮洞窟保存館(手宮1)脇に、毎年出現するこの滝は、手宮公園の残雪が解けて、北海道鉄道発祥の遺産でもあるレンガ積みの擁壁を流れ落ちることで姿を見せる。早春のわずかな期間の風物詩として知られている。
 この雪解け水の滝に打たれながら、山菜の中で一番早く春を告げるフキノトウが、顔をのぞかせている。フキノトウは、日本原産の山菜で、独特の香りとほろ苦さがあり、てんぷらに合う。
 今年は、3月上旬から温かくなり、雪解け水が流れ出し、幻の滝は、水流の増加と共に、いく筋もの流れとなって、斜面に落ちている。この斜面で冬の間、寒さをじっとこらえていたフキノトウの芽生えが始まっている。黄緑色の苞(ほう)が取り巻き、“幻の手宮滝”の水音とともに、道行く人に、春の訪れを実感させている。
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