国道下の“美術館”!地下歩道に眠る小樽の“夏”と“冬”!

“夏”
“冬”

 交通量の多い小樽市内国道5号線の地下をくぐる歩道に、ひっそりと2つの大きな壁画が眠っている。
 この国道下の地下歩道には、小樽運河の“夏”と“冬”を描いた大きな壁画が造られている。まさに、国道下の“美術館”に相応しい。
 “夏”の壁画は、小樽運河に上がった潮まつりの花火大会を描いている。夜空に上がった大輪の花火が、運河の水面に映り、運河には、はしけ船が何艘もつなげられている図柄となっている。
 “冬”の壁画は、小樽運河の倉庫群が雪を被り、運河の水面には、ハス葉氷と漁船が浮かぶ構図となっている。時期的には、まさに今の季節を描いている。
 2つの壁画は、一見、山下清画伯を思わせる雰囲気がある。地下歩道のカーブ面を巧みに使った構図は、一見の価値がある。地下歩道の上には、現在では、横断歩道も設けられており、この歩道を通る人は少なく、静かな“美術館”の雰囲気を醸し出している。
 この地下歩道は、市役所下の国道5号線に設けられ、1977(昭和52)年に完成した。当時は、5号線の交通量の多さから、歩行者の利便性を考え造ったもので、防犯上のことを考え、殺風景にならないようにと壁画を造ったという。
 小樽開発建設部小樽道路事務所では、「30年前のことで、建設期間や建設費などは今の段階では分からない。作者がどなただったのか知りたい」と話している。