小樽市民から次期市長選に対立候補擁立の動き!


elect.jpg 10月31日(火)に、3選出馬を事実上表明した山田勝麿小樽市長(67)に対し、市民の中から早くも対立候補擁立の動きが始まった。
 11月4日(土)18:00から、住ノ江会館(入船十字街)で、「住みよい街づくり市民講演会」が開かれた。
 この市民講演会は、「若者に仕事があり、高齢者に暖かい、にぎわいのある小樽の街を造りましょう」と、「人口がどんどん減っています。小樽の街はこれからどうなるのでしょう。市民の健康は守れるのでしょうか?あなたの疑問に応えます」と市民に呼びかけ、「小樽市の健康状態を検証する会」(東完治代表)が主催した。
 会場となった狭い住ノ江会館には、約100人を超す市民が集まり、会場から溢れるほどの満員盛況となり、市長3選出馬とこれからの小樽の街がどうなるかについて、市民の関心の高さを裏付けた。
 講演は、「小樽の財政を検証する」鈴木良徳・R&Aコンサルタントオフィス代表と、「市民の健康を守る病院を再建しよう」高村内科医院・高村一郎院長の2人が行った。
 この講演会では、山田市政が推進する築港地区での巨大病院建設に対し、現在地周辺での小樽病院再建を求めている。このため、今後は、市議会議長宛の「周辺の土地も利用した、現在地での市立病院の統合、再建を求める」署名を集め、再度、市議会に提出することにしている。
 同署名は、「小樽市長山田勝麿氏と小樽市議会は、先の第3回定例議会において、市立病院の現在地での統合・再建を求める多数の市民の署名を不採択としました。一方では一握りの建設業界の提出した早期再建を求める提案は採択されました。市長及び市議会与党が市民の声に耳を傾け、市民の願いを実現する姿勢を回復されるよう強く希望します。
 老朽化の著しいふたつの市立病院の統合・再建は、多くの小樽市民が切望している懸案です。しかし築港地区への病院移転は、マイカルによる打撃から立ち直りきれていない小樽市中心部に、壊滅的な影響を与える可能性があり大変問題です。
 総花的な総合病院が、これからもますます人口の減少する小樽に必要でしょうか。市内の病院、診療所などとの連携を強化し、計画的な機能分担などをすすめ、効率的に市内の医療環境の改善・充実を図っていただきたいものです」と記し、市長及び市議会に築港での病院建設の再考を求めている。
 これは、新病院建設をめぐって、山田市長の築港地区での建設に真っ向から異を唱えるもので、新病院問題が次期市長選での最重要課題になってきたことを示している。
 講演者となった小樽市医師会理事の高村一郎・高村内科医院長は、「新谷市政の12年間で、新病院建設を後回しにして、市民に役に立たないマイカル建設を優先した。その時に、マイカルを建てないで、市立病院を建てていれば丸井もまだあったのではないでしょうか。今度は、山田市長になって、市立病院建設を先延ばしし、建設候補地も量徳小から築港地区へ変更した。
 市民誰かの反対ではなく、市長がダラダラして先延ばしにしてきただけではないのか。税金を払わない人にサービスするのではなく、払っている市民にサービスをするべきだ。病院建設で、市民にさらに負担をかけるのか」と述べ、これから「まだ候補者はないが、立派な市長候補を立てる地盤を作りたい」としている。
 東完治会長は、「春に現在地での建設の要望書を出したが、もっと大きな病院を建設するので、現在地では小さくて建設することが出来ない。さらに、現在地に建設するためには診療を止めなければいけないと言われたが、協会病院が建設した時のようにすれば建てることは出来る。現在の病院と5号線の間にある住宅のほとんどの人たちも協力してくれると言っている。
 第3回定例会で、平成会の1人の議員さんと共産党とが起立しただけで、あとの会派や議員さんは賛成してしまった。数で決まるので仕方がないことだが、今後は、市民の要望に応えられる市長と市議会議員を擁立して、今の体制をなんとか切り替えたいと思っている。マイカルのあとに追い討ちをかけるかのように病院を建設し、昼間のように明るいパチンコ店の前で、ちゃんと病気が治るのでしょうか」と指摘し、市長や市議会の現体制の一新を視野に入れた動きを強めることにしている。
 山田市長の事実上の3選出馬を受け、政党会派を越えた市民が、小樽市の最重要課題となった新病院建設問題を軸に、早くも対立候補擁立に動き出したことで、山田市長の進める新病院建設の是非をめぐり、かつての運河論争を彷彿とさせる新病院論争が、次期統一地方選での市長選・市議選で、湧き上がることになるかが、にわかに注目されることになった。
 次期選挙で立候補予定の市会議員にとっても、この新病院建設問題が踏絵として作用することも考えられ、今後の市民の動向次第では、現職市議会議員にも厳しい視線が注がれることになろう。

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