市民不在の新樽病建設!「市民フォーラム」で市に渦巻く不信! (2006/08/19)

DSC08478.jpg 小樽市が市立小樽病院と第二病院の2病院を統合し築港地区に移転新築する問題を考える市民フォーラムが、8月18日(金)18:30から、市民センター・マリンホール(色内2)で開かれた。


 「新樽病」を考える市民フォーラムは、同実行委員会(相内俊一・赤石欽司代表)の主催。新市立病院に関するフォーラム開催は今回が初めて。453席ある会場は満席となり、立見の参加者も出て、この新市立病院建設問題への市民の関心の高さが伺われた。会場には一般市民に混ざり、医師・看護師などの病院関係者、市議会議長や市議などの議会関係者や市職員の顔も見られ盛況となった。


 このフォーラムには、パネリスト5人を迎えた。小樽商大・片桐由喜教授、中小企業診断士・庄司俊雄氏、市立小樽病院・鈴木隆院長、小樽市医師会・高村一郎理事、小樽市総務部・吉川勝久参事。オブザーバーとして、市建設部・嶋田和男部長らが出席。小樽商大大学院・相内俊一教授の司会で進められた。


 パネリストには各10分が与えられ、市側からは「2病院の老朽化で築港地区に早急に統合新築する必要がある。今新築しないと医者もどんどん減っていき、病院崩壊となる」と、統合新築の必要性が語られたが、各パネラーからは厳しい意見が噴出し、市のズサンさが明らかになるたびに会場からは大きな拍手が上がった。


katagiri.jpg 小樽商大・片桐由喜教授は「他府県の創意工夫した病院についての考えが基本構想には欠けている。他の民間病院が果たしているものを市立病院でやらなくても、市が補助金を出すことも出来るのでは。もう一度、知恵を絞って新しい病院を作っていくことを考えるべき。今の病院は、経営責任を最終的には誰も責任を負わないことになっている。赤字が出たら市民の血税で賄うしかない市立病院は、経営責任を透明にすることが望まれる」と指摘した。


suzuki.jpg 市立小樽病院・鈴木隆院長は「医師は過酷な勤務状況にあり、緊張が続き、退職を申し出た医者もいた。老朽化で新しく建てることを諦めて退職した医師もいる。昨年春から建てる建てると言っても、一向に青写真が来ない。建てないので見切りをつける医師もおり、待ってもらってる医師もいる。これ以上待てないので、5年後に延びることは病院崩壊となる」


yoshikawa.jpg 小樽市総務部・吉川勝久参事は「建物が老朽化しており、築港地区で早急に建設する必要がある。早急に建設しなければ医者の散出で病院機能が崩壊し、多大な市民負担が掛かる。今44億円の赤字を抱えており、医者が抜けると毎年10億前後の負担がかかる。今新築しなければ、医者はどんどん減る。医者の散出で病院機能が崩壊し、多大な市民負担が掛かることになる」と述べたが、司会者から「老朽化、老朽化と言って、まだ出来ていないのは、誰の責任なのか。行政の責任ではないのか」との指摘に、会場からは一段と大きな拍手が起こった。


shoji.jpg 中小企業診断士・庄司俊雄氏は「市の説明は焦点をずらしており、説明になっていない。今の小樽病院と築港とを比較すべき。市は創造性も方向性もない。誰も建てるなとは言っていない。築港ではなく、今の場所に建てるべき。築港は、埋め立てで危険な土地だ。市立病院は、地震や災害があった時に、一番安全なところになくてはならない。災害があって、市内がやられても、市立病院は安全だったということが必要。築港地区は埋立地で、埋立地は液状化現象で恐ろしい。築港の後ろは崖で集中豪雨や津波に対応出来ない。こういう場所に建てるのは、市立病院の本来の意味から外れている。市の計画は創意工夫も知恵も何も感じられない」


takmura.jpg 小樽市医師会・高村一郎理事は「市と医師会の話し合いは疑問で、無駄だったと感じている。市の事務局は、医師会と協議しているというが、これは間違っている。市民に困っている実態が伝わっていたのか。残念なことに市議会議員でも実情が分からないと言っている。市は、議会・市民に説明する責任があったのに、十分に説明してこなかった。15年前から期待していたが、病院よりマイカルを優先しここまで市が遅らせてきた。建て替えても独立採算にして毎年11億円の赤字を補てんしない方法や民間に売ってしまうこともあり得る。いままで通り、無責任に病院を経営させろという市は虫が良すぎる。無理に経営効率の悪い市立病院として維持する必要はない。市の経営は、皮算用だけを示すだけで収支改善の根拠は示せない。漫然とした経営は、これまでの市立病院の経営を反省した上でのことか。産婦人科、小児科の復活はあり得ない。小樽の現状にふさわしいように基本構想を見直す必要がある。市は、マイカルはじめ箱物で失敗してきた。市の建て替えは、財政的にも良くない。医師も確保出来ると言っていることに疑問がある」と鋭く指摘した。


takmura.jpg これに対し司会の小樽商大大学院・相内俊一教授は「市民と議会と医師会と十分に話し合いをしてこなかったのではないか。経営を検討し責任ある経営の根拠を示すべきだ。どういう病院にするかや診療科についても話合う場は出来ているのか」と質したのに対し、鈴木院長は「2つの病院で協議会を作って一緒にやっているが、医師会とは特別な場を設けてはいない」と答えたが、相内教授は「協議する場が出来ていないのは怠慢ではないか」と指摘した。


 この後、10分間の休憩を挟み、会場からの質問による討論に移った。


 市立第二病院・馬淵正二院長は「医師の立場から言うと、新病院はなんでもやるのではなく、診療目標というか、ガンと脳と心臓とか旗印を持って、戦術的な柱を持って、それに打ち込んでいったらどうか。ガン・脳卒中・心臓疾患の3つを対象にした新病院を建築すべきだ。なんでもかんでもやるのは時代遅れで、新病院は特化した診療をすべきだ」と市の総花的構想を批判した。


 小樽市医師会・津田副会長は「新病院の救急医療体制はどうなっているか、2次救急を新病院が受けてもらえるか、市から産科婦人科、小児科もなくなって、お産するのも、子供が入院するのも協会病院となっている」と協会病院頼りの市の医療体制に危惧を示した。


 小樽都通り商店街振興組合・村田達哉理事長は「商業者の立場で、新市立病院に反対ではなく、建設場所に反対している。小樽市は逆行して、築港地区に建てようとしている。マイカル出店の後押しをしたのは行政で、責任が重大。築港移転では、中心商店街が崩壊してしまう。市長のバランスのとれた街づくりは、中心商店街を切り捨てるということか」と、商店主の立場から話した。


 また、基本構想についても、様々な疑問点が上がった。中でも市の吉川参事が「市立2病院の意見をベースに市長の判断でやった」と述べたのに対し、小樽市医師会・津田副会長は「吉川参事の意見とは違う、会議の主導は、準備室や事務局長でやっていた。医師会との話し合いに、院長が出て来ないで事務局長が出て来たのは事務局主導ではないのか」と、市のこれまでの手法に疑問符を投げ掛け、「基本構想をつくる段階で、地域の医療関係者の声を反映させるような基本構想を作るべきだったのではないか」と指摘した。


simada.jpg 市の建設r部・嶋田部長は「築港の危険な土地に建てるのではないかということでは、建物を建てるにはボーリングして、建築基準法に沿って建てる。地下7m~10mに硬い地盤があり、そこに穴を掘って、杭をうち固定する。液状化は埋立地だけでなく、砂地ならどこでも起きる。津波も昭和6年から平成17年の74年間で最高潮位は162cmしかない。小樽の地震の確率は0.1%以下と証明されており、全国的にも低い。震度7弱に対応しているので、安心して頂けるだろうと思う」と反論した。


 このフォーラムには、約480名の参加者が集まり、討論も熱気を帯び、予定時間の2時間を30分延長し21:00までとしたが、それでもまだ時間が十分ではなかった。


 「市民の声が一番大切で、こういう大事な会が今までなかった。血の通ったこういう場を何回も持ってほしい。この8年間、市民になんの説明もなかったのに憤りを感じる」(渡辺さん)


 司会の相内教授は「市の話を聞いていると、どうやっても樽病がうまくいかないという前提ではないか。きちんと方針が立っていない。建てることは決めた、経営はこれから考えるというのは、おかしいのではないか」


 「小樽、後志の病病連携については、いままでなかったので、これから挨拶に行く」と鈴木院長に述べたのに対し、「新しい病院づくりに意見交換する場がなかったのに、後志の基幹病院になれるのか。意見交換がなくてどうして作れるのか」と、疑問を呈した。


 「今後も話し合いの場を作っていきたいと思いますが、市の主導でここをタダにしてやるべき。どうして7万円をとるのか理解出来ない」と不満の声を上げ、「マリンホールの使用料をまけない市に説明会をやってくれと、総務部長などに電話すべきだ」と、市の説明会が開かれないことに怒りのボルテージを上げていた。


 「今日のフォーラムで様々な観点から検討されるべき課題だった。私が痛感したのは、こういう場が何度も必要ではないか。自分たちの税金を投入してやっていく市立病院がどういう病院なのか、共催を市にお願いしたが、あんた今頃こんなことやったって人が来やしないとの市長の口調だったが、こんなにも多くの市民が参加しており、市はまだまだ説明しなければならないことがいっぱいあるのではないか。今後、市民に理解を得られる情報開示や医療関係者と市民が協力する体制を作っていくことが大事なのではないか」と締めた。


akaishi.jpg 閉会の挨拶に立った懇話会当時 小樽市民生児童委員協議会長だった赤石欽司氏は「今日はどれくらい集まるか心配だったが、400人も来て頂き満杯となり、立見席も出来た。今日は結論を出す会ではないが、こういうのは事が始まる前に、市や商工会議所が告知して企画を立てるのが当たり前だ。(拍手) パネラーはたった10分間しか話せなかったので、消化不良と思った人がいると思いますが、こういう会を作ってくれと市に申し上げてほしい。議会に行くとまだ継続審議中だと言います。都市計画審議会で、閲覧縦覧して30日に決まるとエスカレーターで行ってしまう。31の意見書も出たが、その後ろには何千人もの人の意見がある。市長はいつでも出ると言っていますが、今日は用事があったのかと思います。どうぞ不消化の分を考え、議会や市長に説明会を開くように言ってほしい。今日は、パネラーたちにも無報酬で出てもらっており、司会の相内さんはアメリカから帰ってきたばかりで出てもらった。今日は本当にありがとうございました」と述べた。


 今回の市民フォーラムでの議論の高まりは、新樽病に関し市民が重大な関心を寄せていることを如実に示した。中でも、これまで市の“独断専行”とも言える強引な進行状況が、市民不在のものであることも明らかになった。市は、説明会の開催を求める多くの市民の声にどう応えるかが問われることとなった。


 新病院建設問題は、市の最重要課題としてきわめて深刻な政治状況に入りつつあり、次期市長選・次期市議選での争点として浮かび上がった。市が着々と進めるスケジュールを一度棚上げしても、市民との会話が必要になってきたと言える。


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