小樽市鰊御殿、未来に残したい漁業漁村百選に!


nishin.jpg 祝津の先端の小高い丘にある北海道指定有形文化財「小樽市鰊御殿」(祝津3)が、水産庁の「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に選ばれた。
 これは、水産庁が漁村の魅力を掘り起こして、漁村に残る歴史的・文化的に価値の高い施設などを、国民に広く知ってもらおうと初めて実施。2005(平成17)年9月から11月の2ヶ月の一般応募に、350件の応募があり、10名の選定委員の総合ポイントが高い北海道から沖縄までの施設が選定された。
 小樽市鰊御殿は、北海道の小樽市・余市町・泊村などにある鰊漁場建築7件のうちのひとつとして選ばれた。
 この鰊御殿は、鰊の最盛期に泊村の照岸漁場の網元であった田中福松により、1891(明治24)年から1897(明治30)年までの7年間かけて建てられた。元々は積丹半島泊村の照岸海岸に建てられ、北海道炭礦汽船株式会社が買い受け、1958(昭和33)年に小樽市へ移築し寄贈。2004(平成16)年9月の台風18号の猛威で、片屋根や基礎杭などが吹き飛ばされ、約7,000万円もの額を投じて修復した、小樽観光名所の目玉のひとつ。
 観光振興室では、「小樽の財産が全国の百選に選ばれたことは、大変喜ばしいこと。小樽の歴史の中でも鰊漁は大きな役割を果たしてきた。大変名誉なことです」(小原正徳観光振興室長)。
 「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に選ばれた「小樽市鰊御殿」は、4月1日(土)9:00からオープンする。
 現在、水産庁では、選定した施設を紹介する冊子とHPのコンテンツを作成しており、「早々にはアップしたい」としている。

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