「洋菓子・喫茶 あまとう」運河沿いに出店へ!


amato1.jpg 小樽市内の都通りアーケード内で、創業77年を迎える「洋菓子・喫茶 あまとう」(柴田明代表取締役)が、観光客をターゲットに新たに小樽運河店を出店する計画を進めている。
 あまとうは、1929(昭和4)年に同所に創業された。前身は、食堂とぱんじゅう屋で、現在の店舗の半分だった。1934(昭和9)年には、酒・ラーメン・寿司・オムライスなど、80品を超える品揃えで長蛇の列を作った。今では、「クリームぜんざいといえばあまとう」という声が市内に広がる。創業当時は、人が甘い物に飢えていた時代で、「甘くて申し訳ございません」と、街頭放送が非常にインパクトがあり、たくさんの人があまとうのクリームぜんざいを求めたという。
amato2.jpg 現在の柴田代表取締役は3代目。1枚のハガキから始まった新たな展開。ハガキの内容は、「私の母はあまとうさんの大ファンです。車椅子生活を送っています。お願いがあります。エレベーターを作るか、2階にある喫茶を1階に持ってきてもらいたい」というもの。そこで目を付けたのが隣の空き店舗。「やってやろう」と思ったという。
 2003(平成15)年11月にオープンさせたのは、「パーラー・運河の月」と「ギフトショップ・運河の月」。完全禁煙とバリアフリーを完備した小さな喫茶と、同店有名のマロンコロンのミニバージョンを販売する「ギフトショップ」だ。
 老人施設の貸切使用の要望などが多く、バリアフリーを完備しているとあって、高齢者の利用が多かった。しかし、店内が狭く客足が伸びなかったため採算が取れなくなり、2月28日に閉店した。
 しかし、柴田代表取締役は、この閉店を「前向きの撤退」と話す。この閉店したパーラーを小樽運河へ移転する計画へ移した。ターゲットは、地元客を含め新たに観光客に向けたもので、今年7月末に小樽運河沿いにオープンを予定している。
 創業から77年を迎え「100年は続ける。少子化は少子化に合わせたもの、時代に合わせたものを作っていかなければいけない。お客さんに支えられてきたから、支えてくれたお客さんにお返しをしたい。この店が100周年というアニバーサリーを迎えられたら、僕の使命は終わり」と力強く語った。
 運河店出店の他、現在は、新商品を開発中。そして、新規の顧客獲得に向け、3月31日までにホームページを開設、常に新しいサービスを提供しHPに掲載していくという。
 創業から77年経つ「あまとう」、目標の100周年に向け、構造改革が進んでいる。