小樽の消防犬「ぶん公」がブロンズ像で復活!


bunko1.jpg 火災出動のベルとともに消防車に一番に飛び乗って、出動回数1,000回を誇り、全国で唯一の消防犬として知られた「ぶん公」が、68年ぶりにブロンズ像として、その勇姿が復活することになった。
 消防犬「ぶん公」は、昭和初期に当時の小樽の消防本部に飼われていた雑種のオス犬。火災出動とともに消防自動車のステップに乗り、颯爽として現場に赴き、ホースを咥えて走り、吠えて野次馬を整理するなどの活躍する勇姿が、当時の新聞で報じられた。このため、小樽の「ぶん公」は、日本にただ一匹の消防犬として、ラジオや雑誌などで全国に名犬としての名を馳せた。
 活躍した「ぶん公」も、1938(昭和13)年2月3日に24年の生涯を閉じた。当時の新聞は、盛大な消防組葬が行われ、各消防署員が参列する中、花輪・生花が所狭しと飾られ、好物の100個入りキャラメル2箱や、ファンから贈られた山のような大好物に囲まれた葬儀の様子が報道された。当時の消防本部では、「ぶん公」の功績を記念するため、剥製を作成した。この剥製となった「ぶん公」は、現在、小樽市博物館に飾られている。
bunko2.jpg 近年では、絵本になったり、日本の「名犬のりれき」という本でも筆頭にくるほどの名犬と称えられ、小樽市博物館に、この消防犬をひと目見に来る人も見られるようになっていた。
 2月3日の命日にちなみ、この消防犬「ぶん公」の生前の勇姿をブロンズ像で復活させようと、「消防犬ぶん公記念碑建設期成会」(木下英俊会長)が結成された。
 3日(金)14:00から開かれた同会の設立総会には、約20名の関係者が集まり、消防犬「ぶん公」を顕彰するための記念碑の建設を行うことと、小樽市博物館の剥製の整備をすることを目的として、募金活動を行うことを決めた。
 ブロンズ像を作る話が進んだのは、木下会長(木下合金取締役会長)が、昨年10月頃に「ぶん公」の話を聞き、同社の90周年の節目でもあり、戌年でもある今年に記念碑建設に向け、土屋周三博物館長と相談し、2月3日の命日に期成会を設立し、募金活動を始めることになった。
 木下会長は、「人間が出来ないことをワン公がやっていたことに感動を覚えました。どのようなものが出来るか分かりませんが、ぶん公のために最後までやっていきます」と挨拶した。絵本「消防犬ぶん公」の作者である水口忠副会長は、 「今年で68年になります。今、この時期にこの話があり、驚きもあるけれど大変うれしいことです。人が沢山来るところに建てたいと思う」と語った。
 祖父が小樽に縁があったという、株式会社太陽グループ・東原俊郎社長は、記念費設立の話を聞きつけて「子供たちの夢ということで、とても喜んでいます。僕も戌年なので、なにかお手伝い出来ることがあればと、うれしく思っています」と、会長へ寄付金300万円を手渡した。
 ブロンズ像のデザインや設置場所は、今後詰めることにしているが、同会では、小樽運河の浅草橋街園のように人が多く集まる場所に設置したいと、今秋の完成を目指し活動を強めることにしている。問合せ:0134-34-2666 事務局。

 消防犬「ブン公」

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