市民参加の“一日教授会”


syodai2.jpg 小樽市民が、小樽商科大学の教授陣と忌憚のない意見を交わす、“一日教授会”が13日(木)18:00〜20:00に、北海道新聞小樽支社3Fの道新ホール(稲穂2-8-4)で行われた。テーマは「地域と共に生きる小樽商科大学がこれから目指すもの」。
 前半では、秋山義昭学長が、商大の歴史や地域との関わり、大学を取り巻く状況や今後の進むべき方向について説明した。「商大の前身である小樽高等商業学校は、明治43年の創立当初から、ほとんど地元の負担で設立された学校で、地域との密着性が強い。
 地域貢献事業としては、社会人教育の実績や公開講座、図書館を市民に開放している。産学官連携事業では、ビジネス創造センターが役割を担い、交換留学や短期語学研修など、国際交流事業も盛んだ。
 大学を取り巻く状況としては、来年4月からの独立行政法人化の問題と、道内の6単科大学と1総合大学の統合問題が最大の関心事。これらを踏まえた上で、商大の進むべき方向としては、小規模大学ゆえの良さを生かすべく、学生との距離を縮めたい。伝統ある語学教育から国際交流の発展に努めたい。大学院の改革として、ビジネススクールを設置したい。」
 これに対し、参加した市民からは、応援と同時に厳しい意見も飛び出した。「商大の学生の65%は札幌から通学している。バイト先など難しい問題もあるが、できるだけ小樽に住んで欲しい。商大の札幌サテライトは、小樽にいて受講出来ないのでおかしい。どうも商大は札幌志向なのではないか。昔、教えを受けた商大の恩師の精神を忘れないで欲しい」など、時間が足りなくなるまで、意見が交わされた。
 最後に秋山学長が、「思いもしなかったような意見まで飛び出し、たいへん参考になった。今後も、こういう場を設けて交流を深めていきたい。」と述べた。
 商大の将来を市民参加で真剣に考えた、“一日教授会”だった。